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「大岩監督は面白みに欠ける」メディアの評判も…「大岩さん、結構ジョーク言いますよ」MF荒木遼太郎22歳が明かした“パリ世代”の本音「一番仲良いのはブライアン」
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/08/18 11:04
パリ五輪直前にNumberWebのインタビューに応じていたMF荒木遼太郎(22歳、FC東京)
「サッカーやっているときは硬いですけど、オフのときは柔らかいですよ。これ言ったら、大岩さんがどう思うかわからないですけど、ああ見えて普段は結構冗談を言ったりもしていますから(笑)」
大岩監督はチームの内と外で、うまく顔を使い分けバランスを保っていたのだろう。予選と同様に本大会に入ってからも試合ごとに選手を入れ替えながら戦ったものの、選手から不満のような声は一切聞こえてこなかった。
荒木自身、予選から攻撃を活性化させる“ジョーカー的”な役割を担ってきた。常に先発が約束されているわけではないなか、高いモチベーションを維持できたのは、大岩監督の1つの手腕と言えるだろう。
「ブライアンが一番仲がいい」
主将の藤田譲瑠チマにチームの雰囲気を聞けば、「うるさい奴ばっかりですよ」と返ってきた。だが、荒木いわく「いちばんうるさいのがチマじゃないですか(笑)」とのこと。
予選のアジア杯では、たとえば準々決勝のカタール戦の細谷真大の決勝ゴールがそうだったように、中盤でのアンカー藤田と荒木の縦関係での連係が大事な場面で得点を生み出してきたが、それは普段からのコミュニケーションがあってのことだという。
「ああいうのは一番の武器。1、2本の縦パスでゴールまで迫れるのが一番の近道ですから。ピッチでは常に要求していますし、チマも見てくれている。いまは、欲しいときにだいたい(パスが)出てくる感覚はあります」
荒木がチームメートでとくに仲がいいのは、小久保玲央ブライアン、山本理仁、佐藤恵允らだと話す。
とくにGK小久保とは五輪前のオフにも、プライベートでともに食事をした仲だという。その小久保は、“DJブライアン”としてチームのムードメーカーとしても知られ、今大会は好守で何度もチームの窮地を救った。
「ブライアンはチームで移動中などにいろんな曲をかけて、盛り上げてくれる。わりと自分と音楽の趣味も合うし、かける曲はラップ系が多い。GKとしてだけでなく、いろんなところでいい仕事をしてくれています(笑)」
「髪を切っただけでニュースになるのはちょっと…」
ちなみに、荒木によく聴くアーティストを聞くとBAD HOPとのこと。ことし2月に解散してしまったが、川崎出身のヒップホップグループだ。その音楽性が高く評価される一方で、過酷な生い立ちも注目されてきた。
厳しい環境から音楽で這い上がってきた彼らのようなストーリーを自分のサッカー人生にオーバーラップさせることもあるのだろうか。