オリンピックへの道BACK NUMBER
「技術力が相当に高い」井上康生からの絶賛…物議判定にも動じなかった柔道・村尾三四郎“本当の評価”「斉藤立に一本勝ち」大学時代の転機
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2024/08/17 17:01
パリ五輪では個人と団体ともに銀メダルを獲得した村尾三四郎(23歳)
だから、パリ五輪について尋ねられたときにはこう語った。
「全然意識していないですね。大会がどうこうというより、自分自身の成長や、強くなることを頭に置いています」
畳の上の強さのみならず、試合を離れてのふるまいにも村尾らしさがあった。混合団体戦決勝でフランスに敗れたあと、泣き崩れる斉藤の傍らで背中をたたき、言葉をかける姿も印象的だった。
大野将平が称賛「組み合わない外国人選手が多いですけど…」
その村尾に対し、村尾が手本とした大野は、解説者としてこう語っている。
「組み合わずに戦う外国人選手が多いですけど、永瀬(貴規)選手や村尾選手は組み手のさばき、体のさばきでしっかり2つ持って投げ技につなげる、ほんとうに古きよき日本柔道を体現してくれたと私は感じました」
試合を終えて村尾は言う。
「ロスを目指します。オリンピックの借りを返して金メダルを獲りたいという思いです」
以前、村尾はこんな言葉も残している。
「未来は自分で変えるもの」
望む未来へ向けて、再び歩んでいく。