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「私の“終わり”って何なんだろう、と」RENA32歳が明かす“引退時期”への本音…一本負けの大ケガから1年「今さら焦ることもない(笑)」
posted2024/03/22 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
女子格闘技の“顔”の1人であるRENAが、11カ月ぶりの試合を行う。
立ち技格闘技シュートボクシングから、RIZIN旗揚げと同時にMMA挑戦をスタートさせたのが2015年のこと。RIZIN女子の中核で活躍してきたが、このところ試合のペースが落ちている。
2021年大晦日はパク・シウに敗れ、7カ月後の再起戦には勝利したが負傷。2023年4月にカムバックしたものの、今度はクレア・ロペス戦で一本負けを喫した。ニーバーを極められ右膝外側側副靱帯を部分断裂、また右足の指も3本、骨折した。
RENA32歳「今さら焦ることもない(笑)」
プロデビューは2007年。立ち技では絶対的な存在として君臨してきたが、MMAではチャレンジャーだ。時に手痛い敗北を味わいながら、実力をつけてきた。現在32歳、キャリアの終え方も意識するようになっていたから、長期欠場の重さもかなりのものだったのではないか。だが3月23日のRIZIN神戸大会を前にインタビューしてみると、RENAの表情は明るかった。
「2試合続けてケガをしたので“ケガばっかりだな……”というのはあったんですけど。休んでいる時も焦りみたいなものはなかったです。歳も歳だしキャリアもあるので、今さら焦ることもない(笑)。特に復帰戦という意識もないですね」
神戸大会で対戦するのは韓国のシン・ユリ。フィジカルが強いと評判だが「私も60戦くらいやってきて、いろんなタイプの選手と闘ってますから」。相手もブランク明けということで過去の映像がどれだけ参考になるか分からないが、それは向こうも一緒ではないかと考えている。
試合に向けては、初めてトレーニングキャンプを実施した。いつもの環境を離れ、ひたすら「練習しかすることがない」時間を過ごす。場所はタイのMMA・ムエタイジム「タイガームエタイ」。世界各国から選手が集まる名門だ。
「朝早くから夕方まで練習して、減量期間に入ったら楽しみはサウナと水風呂くらい。ジムには各部門の専門コーチがいて、久しぶりにムエタイの練習もしました。今まで練習したことがない選手とも手を合わせて刺激になりましたね。言葉が分からない中でコミュニケーションを取り合って。ここにきて仲間が増えるというのは大きかった」