「精神的にすごく、つらかったとは思うんですよね」

――相良さんの目にはどのように映っていたでしょうか。

「まず、怪我したこと自体つらかったと思います。昨季はすごく大事なシーズンだったんですよね。スパルタでの1シーズン目はウィンターブレーク明けから活躍して、他に移籍するかと思ったら残ってくれて。だから2シーズン目はスパルタでもっと活躍してから次のステップ、というイメージを本人も思い描いていた。周りの人たちもこの選手だったら絶対そういう次のステップに行けるだろうという感じで、むしろスパルタに残ってくれたことがすごく奇跡と喜んでいました。

AZ時代の菅原由勢とのデュエル　©Getty Images

　本人にとって、モチベーションの高かった2シーズン目の怪我だったので、メンタル的にもすごく大変だったと思います。あとはマンチェスターで1人で過ごさなきゃいけないっていうところも、本当に大変だったんだろうなと思いますね。それにハムストリングスの腱の断裂の手術というのはそこまでメジャーではなく、前例のない手術だったので、手術後にちゃんと復帰できるのかという不安もあったと思います」

シティのフィジオが「コウキはお手本になる真面目さ」

――マンチェスター・シティでのリハビリはとても大変だったと本人から聞いたことがあります。

「本人は大変だったって言いますよね。でも、シティのフィジオからは“光毅は他の選手のお手本になる選手で、めちゃくちゃ真面目にリハビリをやる。本当にプロフェッショナル選手だ”と聞きました。そういったこともあって、マンチェスターでのリハビリを終えて日本に行く時期がきても、マンチェスターの人は“できるだけ長く残ってほしい”、“周りの選手に良いお手本になってすごく影響を与えられる選手だから”って言ってました。リハビリでそういう評価って、本当にすごいなと思いました」

＜つづく＞