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高校野球“124人が寮生活”の実態「3年生は個室」「スマホ禁止ルール、なぜ不要?」青森の強豪監督がズバリ…入部時に書く“ある誓約書”
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/08/20 11:06
今年の野球部員は124人。多くの球児が集まる八戸学院光星の仲井宗基監督に聞く「寮生活の実態」(写真はイメージ)
仲井 してないです。なので、意識の低い選手は夜も寝ずにいじってますよね。大谷クラスの選手はそういうとき自分で自分をコントロールできるから、あそこまでの選手になったわけですよね。だから、そういう話はします。禁止にする方が簡単かもしれないですけど、そこの本質に気づかなければ意味がないじゃないですか。
――SNSはどうしているんですか。アカウントをつくることは禁止ですか。
仲井 アカウントをつくるなとまでは言ってないです。ただ、しょうもないことはアップするなとは言っています。入部するとき、何か問題のある投稿が発覚した際は退部してもらいますという誓約書は書いてもらっているので。そこは「すいません」では済みませんよということです。
「持ち物にバリカン」ここは修行にくる場
――そういう時代なんでしょうね。誓約書には丸刈りに関するルールなども書かれているのですか。
仲井 丸刈りとは書いていませんけど、持ち物にバリカンと書いてあります。寮の近くに床屋がないので。
――それが事実上、丸刈りということなわけですね。
仲井 そうです。ここは修行にくる場なので。
――出家だ、と。
仲井 はい、修行です。古い考え方かもしれないですけど。
――大阪桐蔭や明徳義塾など全寮制のチームは割と携帯を禁止しているところが多い印象があるんですよね。
仲井 西谷さんは何か言い訳していましたよね。うちの寮は「電波届かへんねん」って。
――昔は本当に届かなかったみたいですよね。
仲井 どうせ隠れて持ってますよ。禁止にしたら高校生は隠れてやる。だから、僕ももう面倒くさくなってしまったというのもあるんです。何でもかんでも禁止にすると、余計に変な方向にいってしまう。なので認めるけど使い方はちゃんとせいよ、ということです。
――今の時代の選手に合った指導法というのはありますよね。最近は「楽しく」という言葉が頻繁に聞かれるようになってきましたけど、仲井さんは試合中に選手が笑顔を見せることに対してはどう思いますか。