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「試合前に100mダッシュ100本、スクワット1000回!」智弁和歌山・高嶋仁監督が課した“猛練習”の内幕…「やりすぎや、明日、体が動かへんわ」
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph byKatsuro Okazawa
posted2024/08/21 11:15
春夏通じて3度の甲子園優勝、通算68勝を記録した智弁和歌山・高嶋監督
「1年の入部早々に、先輩たちから『6月はやばいから覚悟しておけ』と脅かされるんです。6月1日、練習直前の授業中は緊張と恐怖で変な汗が止まりませんでした」
グラウンドに行ってみると、高嶋の表情がこれまでと明らかに違っていた。
「人が変わったようにスイッチが入っている。ブスッとして怒ってるんですよ」
ノックが壮絶だった。ボールをはじくと高嶋に数m前まで呼びつけられる。
「俺のノックを捕る気、あるのか」
至近距離から飛んでくる硬球を腕で遮る。そして守備位置に戻される。エラーしてまた、呼びつけられる。その繰り返し。腕がパンパンに腫れあがることもあった。
昔ながらの“暑さ対策”とは?
週末の練習試合は決まって遠征に出た。四国に行く際は深夜2時半に集合したという。早朝のフェリーで和歌山港を出港した。
遠征先でも必ず2時間、走り込んでから試合に臨んだ。疲れて集中力の落ちた中でも勝利の糸口を探らなければならない。
「『負けたら帰って100mダッシュ100本やで』と。嘘かと思ったらほんとにやりました」と鵜瀬が笑う。
湿気の多い時期にグラウンドコートを着込んで走る。昔ながらの“暑さ対策”だ。猛練習が続く中、今にも倒れそうな選手には鵜瀬が「戻ってこい!」と呼びかけた。
高嶋には狙いがあった。
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