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親友が突然がんを宣告され…「北口(榛花)さんを見ると森ちゃんを思い出す」池田久美子が語る、26歳で他界した砲丸投げ・森千夏との約束 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byAFLO SPORT

posted2024/08/09 11:02

親友が突然がんを宣告され…「北口(榛花)さんを見ると森ちゃんを思い出す」池田久美子が語る、26歳で他界した砲丸投げ・森千夏との約束<Number Web> photograph by AFLO SPORT

2006年8月9日、26歳の若さで亡くなった森千夏さん。元同僚で、親交が深かった井村(旧姓・池田)久美子が思い出を振り返った

 葬儀場で会った森さんは「細くなっていたけど、顔は穏やかだった」という。苦しみから解放された親友の姿に“よく頑張ったね”と声をかけた。

「森ちゃんと私で約束したよね。北京五輪で森ちゃんが20m投げて、私が7m跳んで、メダル目指そうよ、って。2人で約束したよね。森ちゃんは、それができないから、森ちゃんのお墓に報告できるように、私、頑張るから」

 涙ながらに弔辞で述べた言葉は、あらかじめ準備していたものではなく、「自分が抱えていた想い、2人でよく話していたこと」をありのままに伝えようと思ったものだった。

 森ちゃんの想いも背負って必ず夢の舞台に挑む――。

 あらためてそう決意した瞬間だった。

後編につづく)

#2に続く
「森ちゃんが亡くなってから1年しんどかった」池田久美子が26歳で他界した親友に誓った五輪出場「おばあちゃんになっても砲丸を投げたいと…」

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