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男子バレー涙の円陣…小野寺の手招き、小川の頭をポンポン「史上に残る壮絶な試合だった」パリの“観客席”で見た夢のような景色とジャポンコール
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2024/08/07 11:02
逆転負けを喫したものの、序盤は強豪イタリアを圧倒したバレーボール男子日本代表。パリの会場には“ジャポンコール”が響いた
選手たちがいなくなった後、スタンドのアナリスト席で片付けをしていた高橋和也アナリストに話を聞いた。
「ネーションズリーグや昨年のパリ五輪予選で自信をつけて臨んだ試合でしたけど、やはりオリンピックでの準決勝を懸けたあと1点が、他の大会とはちょっと違う。オリンピックはオリンピックなんだな、というのをすごく感じましたね」
ただ、その表情は沈んでいなかった。
「楽しい試合だったなーと今思いますね。負けはしましたけど、悔しいですけど、試合中入力しながら、分析しながら、面白いな、楽しいなーって。ワンプレーワンプレーに盛り上がりがありましたし、見てて笑っちゃうぐらい、いいプレーもたくさんありましたから」
寝る間も惜しんで試合の準備をし、試合中は最大限の集中力で情報をベンチに送り続けるアナリストをも笑わせてしまう。やっぱりすごいチームだ。
五輪に出場することも叶わなかった一昔前には想像もできなかった五輪の準決勝、そしてメダル獲得。日本中が夢を見させてもらった。
けれどその夢はまだ終わらない。わずかに届かなかった夢の実現に向け、日本代表の挑戦は受け継がれ、続いていく。