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サッカー五輪代表落選→初戦前日、大岩監督から電話「いけるか?」「いけます」“ドラマみたいな”緊急招集のDF内野貴史「ツラい時期も…」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byMutsu Kawamori
posted2024/08/01 17:06
クラブで昇格を逃すPK失敗、当初の18人枠落選と悪夢続きだった内野貴史に、緊急招集という形でパリ五輪出場機会が巡ってきている
「うん。あのPK失敗はしばらく落ち込みましたよ。あの時、自分がこのチームのために蹴ろうと思ったんです。誰かに昇格させてもらうのではなく、僕が昇格させるというような。(失敗したが)周りの人が助けてくれてようやく抜け出せました。今年前半は僕にとって大きなことが多くて。アジアカップで試合にあんまり出られなかったこともそうだし、PKのこともそうだし」
だからこそ、五輪メンバー入りをかけた最後のチャンスがアメリカ遠征だった。だが、この遠征で最も重要だったアメリカとの2戦目、内野に出場機会はなく、7月3日に発表された五輪メンバーにもその名前はなかった。
精神的にもツラい時期でも…チャンスがやってきた
それでも、結局はここにたどり着いた。
「精神的にもツラい時期でもトレーニングとかやめずに、むしろもっとやらなきゃいけないと根気強く取り組めたので、いきなりこういうふうにチャンスがきて、チームの勝利という最低限の結果に少しでも貢献できたのかなと。今までの取り組みが間違ってなかったと思うし、少しそこは自信を持って。これがまた次からもっと頑張るモチベーションになるなと思います」
同じポジションで切磋琢磨しながらも、負傷離脱した半田陸の悔しさも背負いつつ、 “遅れて来た男”が活躍するのはこれからだ。
<つづく>