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バレー男子日本代表・西田有志が明かす“オリンピックへの思い”…中3の卒業式で宣言! 涙した東京五輪で味わった「やり切った感と甘さ」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAsami Enomoto
posted2024/07/30 17:03
バレーボール男子日本代表の“不屈のサウスポー”西田有志(24歳)がオリンピックへの思いを語った
東京五輪でチームは29年ぶりとなる決勝トーナメント進出を果たしたものの、前回覇者ブラジルとの準々決勝は1セットも取れずに終わる。西田は人目をはばからず涙した。悔しくはあったが、一方で大会を通じて強豪国とも張り合えたという手応えはしっかりと手に残った。
「オリンピックの舞台では、いつもなら気にならないことも気になったり、より神経質になったりもしました。通常モードでやる難しさを感じる分、勝ったときの喜びは2倍にも3倍にもなる感覚があった。あの東京でチームとして掲げていた目標がベスト8。そこをクリアしたことで、やり切った感があったのは確かです。やっぱりメダルはもう一つ先にありましたから。準々決勝まで行けた経験は大きかったと思います。と同時に、その部分の甘さもあったのかなという思いもありました」
目標の上方修正も可能ではあった。つまりは大会を通じてそれほどチームが成長したということ。だからこそ「甘さ」との表現が口を突いて出た。
セリエA挑戦で見えた目指すべき選手像
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3年後のパリは現実としてメダルを狙う大会に――。そのためにもさらに幅を広げなければならないと考え、次のステップに進むべくイタリア・セリエA挑戦に踏み切った。ビーボ・バレンティアで1シーズン通して活躍できたとはいえ、1年で区切りをつけて日本に戻ってきたのは自分の目指す道が明確に見えたからでもある。
「パワー勝負であれば、正直負けることは多分ないかなっていう。でもそれだけの選手になったら選手として1、2年で終わってしまうなとも感じました。187cmの身長、自分のような体型で海外の選手と同じことをやっていたら得ることは多くても、ケガが増えたりして失うもののほうがたくさん出てくるはずですから。だからこそ器用な部分を含めた日本人選手の特長を突き詰めていくことで、(世界に)なかなかいないオポジットになれるんじゃないか、と」
イタリアから帰国後、原因不明の体調不良に
ここから一気に目指す自分のオポジット像を確立していくはずだった。ところがイタリアから帰国後、原因不明の体調不良に悩まされ、血液検査での異常値が続く。ようやく復調傾向に入って迎えたのが昨年のネーションズリーグだった。だが、コンディションを気にするあまりか、知らず知らずのうちに自分の内面ばかりに気持ちが向かっていった。
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