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バレー男子日本代表・西田有志が明かす“オリンピックへの思い”…中3の卒業式で宣言! 涙した東京五輪で味わった「やり切った感と甘さ」

posted2024/07/30 17:03

 
バレー男子日本代表・西田有志が明かす“オリンピックへの思い”…中3の卒業式で宣言! 涙した東京五輪で味わった「やり切った感と甘さ」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

バレーボール男子日本代表の“不屈のサウスポー”西田有志(24歳)がオリンピックへの思いを語った

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 悔し涙を流しながら手応えも感じた東京五輪から3年。不屈のサウスポー・西田有志は「今やれること」を100%やり続け、点取り屋としても一人の人間としても着実に成長を遂げた。このチームの集大成と位置付けるパリに懸ける思いとは――。
 発売中のNumber1101号[7年間の集大成を]西田有志「すべてを懸ける時が来た」より内容を一部抜粋してお届けします。

ライフスタイルとバレーボール人生

 目いっぱい手を伸ばせば欲しいものに手が届く。西田有志はそうやって生きてきた。

 ジムカーナを趣味とする父の影響を受け、根っからのクルマ好き。お気に入りの映画は当然「ワイルド・スピード」だ。高校卒業後にジェイテクトSTINGSに入団するや否や、アウディをローンで購入。それを発奮材料として2年でバシッと払い終え、クルマの買い替えや家族へのプレゼントをエンジン全開の源にした時期があった。

「お父さん、『頭文字イニシヤルD』がメッチャ好きだったんです。15年前くらいだったかな、大切に乗っていた86(スプリンタートレノ)のエンジンが急に掛からなくて廃車になって。泣いている姿を見ていたので、いつか86を買ってあげたいと思っていました。

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 ライフスタイルにつながる何かを目標にすることで、自分のバレーボール人生も楽しくなる。やり甲斐を感じてモチベーションも自分のレベルも引き上がりますから」

 今、欲しいものが目の前にぶらさがっている。ライフスタイルとバレーボールが重なって、自分も仲間たちも家族も、そして応援してくれるファンも同じ思いで望んでいるオリンピックのメダル――。世界ランキング2位、ネーションズリーグ準優勝という現在地が、ミュンヘン五輪以来52年ぶりとなる偉業への期待を膨らませる。意気に感じるその人のモチベーションに変換されていることは言うまでもない。

東京五輪では「やり切った感と甘さ」

 オリンピックへの思いはずっと変わらない。小学3年生だった2008年に北京五輪をテレビで観て、バレーボール日本代表の戦いと清水邦広の力強いプレーに心が熱くなった。中3の卒業式ではクラスのみんなに「オリンピックに出る」と宣言したという。夢を叶えるべく一心不乱に打ち込んでいった結果、北京以来の出場となる東京五輪の大舞台を21歳で踏むことになった。

 得点を積み重ねるオポジットはチームを牽引する存在となる。パワー頼りではなくメリハリをつけてブロックアウトを取るなど攻撃の幅を広げ、進化を遂げていく。憧れの場所で萎縮することなく飛躍できたのも強心臓の西田らしいことだ。

【次ページ】 東京五輪では「やり切った感と甘さ」

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