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「ハイキューかよ…」春高バレーMVP岩田怜緯の本音が純粋すぎた「終わってしまうのが嫌だった」ライバルと先輩・高橋藍に比較された2年生エースの脱皮
posted2026/01/13 11:02
高橋藍を擁した2020年以来、6年ぶりに春高バレーを制した東山高校。2年生エース岩田怜緯は大会MVPに選ばれた
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Hiroyuki Nakamura
敗れて涙。勝っても涙。
春の高校バレー準々決勝、東山高校対鎮西高校戦後の光景は、まるで決勝の後のようだった。
インターハイ、国スポに続く三冠を目指していた鎮西の選手達は、敗れて夢が絶たれ、泣き崩れた。
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その反対側のコートでは、東山の2年生エース・岩田怜緯も泣いていた。何度もユニフォームで涙を拭う。
「楽しい時間が終わってしまう」
岩田は“打倒・鎮西”に懸けていた。鎮西とは国スポの決勝で対戦していたが、第5セット8-3とリードしていたところから逆転負けを喫していた。その相手にリベンジを果たせた喜びや達成感の涙なのだろうと予想できたが、あえて聞いてみた。
勝って流した涙は、どんな思いからだったのか。すると岩田はこう答えた。
「嬉しいという気持ちもありましたけど、自分としては、楽しい時間が終わってしまうのが、嫌だった。もっとやっていたかったというのがありました」
思わず『ハイキュー!!』かよ、と言いたくなるような純粋さ。極限の攻防の中、未だかつて感じたことのない至高の楽しさに辿り着いていたという。
それは、苦しい敗戦を糧に、妥協なくやるべきことを貫いてきたからこそ訪れた至極の時間だった。
「国スポで負けたのは自分の責任だと思っていたので、その借りを返すというか、自分がチームを勝たせることができたので、それが嬉しかったというのももちろんあります」
国スポ決勝の第5セットは、自身のミスや決定力不足のせいで流れが変わったと、責任を一身に背負ってきた。東山の豊田充浩監督も、鎮西の2年生エース・一ノ瀬漣の名前を挙げながら、あえて岩田に背負わせてきた。
