バレーボールPRESSBACK NUMBER

春高バレー直前の訃報「先生いるかな…つい教官室を見ちゃう」故・畑野監督と目指した“高校3冠”、重圧を乗り越えた鎮西高校の1カ月

posted2026/01/14 11:00

 
春高バレー直前の訃報「先生いるかな…つい教官室を見ちゃう」故・畑野監督と目指した“高校3冠”、重圧を乗り越えた鎮西高校の1カ月<Number Web> photograph by Hiroyuki Nakamura

春高バレー優勝候補と目されたが、準々決勝敗退となった鎮西高校。2年生エースの一ノ瀬漣は試合後に涙を流した

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

PROFILE

photograph by

Hiroyuki Nakamura

今年も数々のドラマを生んだ春高バレー。大会前、話題を独占していたのは高校3冠が懸かっていた鎮西高校だった。しかし、よもやの準々決勝敗退――。監督との永遠の別れを乗り越えた指揮官と選手たちの本音に迫る。【NumberWebドキュメント全2回の前編/後編に続く】

 望んだ結末とは違う幕切れに、黄色のユニフォームをまとう選手たちは泣き崩れた。

 1月8日、春高バレー男子準々決勝。鎮西対東山。昨秋の国民スポーツ大会決勝以来の再戦となった両者の試合は、まさに激闘そのもの。25点では決着がつかず、27対27の場面では、ともに2年生である鎮西・一ノ瀬漣と東山・岩田怜緯がバックアタックの応酬でエース勝負を繰り広げる。両者の総力を尽くしたロングラリーを制した東山が28点目をつかみ取ると、最後も岩田のバックアタックで東山が勝利を決めた。その瞬間、インターハイと国スポに続く鎮西の「高校3冠」の夢が絶たれた。

 昨年11月24日に鎮西を51年率いた畑野久雄監督が急逝し、後を受け継いだ宮迫竜司監督も選手たちを労う。

ADVERTISEMENT

「勝たせられなかったのは畑野先生と私の差だと思いますし、勝たせてやりたかった、というのが一番率直な思いです。彼らもプレッシャーがあったし、私自身も鎮西で監督をする以上は(プレッシャーが)あった。でも畑野先生はどんなことも受け止めて51年間やってこられたと思うので、3冠目前のベスト8で負けるという悔しさを、私自身も受け止めて、監督としてこれから成長したい。選手たち、特に3年生には感謝しかないです」

 優勝候補としてだけでなく、言葉にできないほど大きな重圧と戦った。鎮西の春高が、終わった。

【次ページ】 畑野監督が“予定”を書き込んだカレンダー

1 2 3 NEXT
#鎮西高校
#畑野久雄
#宮迫竜司
#一ノ瀬漣
#福田空
#岩下将大
#西原涼瑛
#大石秀
#東山高校
#岩田怜緯

バレーボールの前後の記事

ページトップ