オリンピックの大事な初戦。この試合に焦点を当てて取り組んできただけに、負けてしまったことは残念。でも、まだ大会は始まったばかりです。むしろ初戦の難しさや、初戦ならではの緊張感を味わえたことをプラスにとらえたい。次戦まで中3日あるので、ポーランド戦での課題や反省点を修正し、次のブラジル戦に向けてもう一度ギアを入れるのに十分な時間はあるはずです。

ネーションズリーグでは準決勝でブラジルを撃破した日本　©︎Volleyball World

　次戦のブラジルは、昨年の五輪予選でも、今年のネーションズリーグでも対戦してきました。今回も主将でエースのガビ（ガブリエラ・ギマラエス）選手と古賀選手の打ち合いに注目が集まるでしょう。ただ、ミドルやオポジットなど攻撃陣の層も厚い。特にポーランド戦でミドルの攻撃を多く決められたことを考えると、宮部藍梨選手や山田二千華選手、荒木彩花選手がどれだけブロックで対応できるかというのも重要なポイントです。

　戦術面で言えば、やはりサーブレシーブからの攻撃でいかに波に乗れるか。その軸になるのは古賀選手、石川選手です。石川選手はポーランド戦では途中交代しましたが、プレーは決して悪くなかった。ブラジル戦はこれまでと同様にオフェンス勝負、打ち合い、拾い合いの壮絶な試合になるはずです。

　この敗戦を吹っ切り、これまで突き詰めてきたミスのないバレーをどれだけ徹底できるか。女子日本代表の這い上がる力はすごいんだ、というところを見せてほしいし、その力は十分にある。まだまだ、ここからです。

（構成／田中夕子）