振り返れば、こういった“もったいない”シーンが他にも多かった。日本が先取した第1セットでは、リバウンド（チャンスボールが返ってくるようにブロックに打球を当てる）を取りに行ったスパイクであったにもかかわらず、そのままブロックに当たって落ちてしまったり、打った側からすれば「拾ってほしかった」というプレーが何本かありました。

　ただ、なかなか波に乗り切れない中でも、高さで勝るポーランドに対して古賀選手や石川真佑選手がうまくブロックアウトを取るスパイクで得点を重ねていて、バックアタックも効果的に決まっていました。おそらく今日の試合を振り返った時に「古賀はよかった」「石川は決まっていた」と感じた人も多いのではないでしょうか。

得点を重ねた石川真佑のスパイク　©︎Kaoru Watanabe/JMPA

キャプテンとしてチームを牽引した古賀紗理那　©︎Kaoru Watanabe/JMPA

　では、なぜそのまま日本が2セット目以降も取り切れなかったのか。攻撃が単発で終わっていたからです。古賀選手や石川選手の強烈なバックアタックが印象に残ったのは、裏を返せば他の攻撃と連動して決まった1本ではないから。

連動した攻撃で得点を重ねたポーランド

　ポーランドも、オポジットの選手の高い攻撃力が目立ちますが、両サイドの選手が連動して前衛からも後衛からも得点を奪い、何よりミドルブロッカーのスパイク本数、決定本数が高かった。第1セットは日本のサーブに対する返球がネットに近く、攻撃が単調になっていたのですが、2セット目以降にセッターのヨアナ・ウォロシュ選手がネットに近い返球に対してもジャンプし、近い位置にいるミドルだけでなく、両サイドに展開するなど全体を活かそうと工夫して、攻撃の幅を増やしていました。

世界ランク4位の実力を発揮したポーランド　©︎AP/AFLO

　ウォロシュ選手の身長（181cm）が高いからそのボールにも追いつくと見られてしまうかもしれませんが、苦しい状況でも打開し、選択肢を2つ、3つ用意するためのハードワークを徹底していたのは、今日の試合に関しては残念ながらポーランドのほうでした。

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