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バレーボールPRESSBACK NUMBER
涙の引退…古賀紗理那に「ごめん」Vリーグ優勝監督がパリ五輪の結果に危機感を抱く理由「女子バレーは変わらなければならない」
posted2024/08/04 17:08
text by
金子隆行Takayuki Kaneko
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
バレーボール女子日本代表は、パリ五輪予選ラウンドの全日程を終了した。最終戦でケニアにストレート勝ちしたものの、3戦1勝2敗のグループ3位。まだわずかな可能性は残しながらも、決勝トーナメント進出は極めて難しい状況となった。
昨シーズン、主将の古賀紗理那らが所属するNECレッドロケッツ川崎をリーグ優勝に導いた金子隆行監督(39歳)に、パリ五輪の戦いぶりを振り返ってもらった。現役引退を表明している古賀への想い、そして女子バレーの未来にも言及している。〈NumberWebパリ五輪短期連載〉
昨シーズン、主将の古賀紗理那らが所属するNECレッドロケッツ川崎をリーグ優勝に導いた金子隆行監督(39歳)に、パリ五輪の戦いぶりを振り返ってもらった。現役引退を表明している古賀への想い、そして女子バレーの未来にも言及している。〈NumberWebパリ五輪短期連載〉
現時点でフランスがアメリカにストレート勝ちをすれば、日本が準々決勝に進める可能性は残されていますが、状況は極めて厳しいものとなりました。
ケニアとの試合を終えた直後、テレビでのフラッシュインタビューに涙ながらに応じる古賀紗理那選手の姿を見て、僕は「ごめん」としか思えなかった。日本が負けたこと以上に、大会前に覚悟をもって「引退」を発表した彼女の力になれなかったことを心から申し訳なく、女子バレーに携わる一人として悔しく思いました。
キャリア最高の状態で臨んだパリ五輪
東京五輪からの3年間、この日本代表は最後まで古賀紗理那のチームでした。自チーム(NECレッドロケッツ川崎)の選手だからというわけではなく、客観的に見て、日本代表を引っ張ってきたのは紛れもなく彼女だったと思います。
「バレーボールが大好きな古賀紗理那として戦いました」とケニア戦の想いを明かしていましたが、古賀選手はチームのことはもちろん、それ以上にとにかくうまくなりたいと願い、自分自身を極めることに向き合ってきました。その結果がチームに還元されると信じ、フィジカルのトレーニングから一つ一つ妥協せず取り組む姿はチームでもずっと見てきました。
パリ五輪は彼女自身のキャリアの中で最も充実した状態で迎えた大会だったと思います。