テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「翔平との対戦で今まで出なかった力を」前田健太36歳は大谷翔平30歳に感謝した…“テレビに映らない”2人の関係と「人間・大谷の魅力」
posted2024/07/26 17:21
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
JIJI PRESS
《7月12日 VSタイガース (コメリカ・パーク) ◯4-3》
フィラデルフィアからデトロイト行きの飛行機が2時間ほど遅延して出発。ホテルに寄る暇もなくコメリカ・パークに到着した。メジャーリーグの移動で遅延は“あるある”。練習前に間に合っただけ御の字だった。
前田は侍ジャパン時代から面倒見がよかった
ビジターのドジャースの練習が始まると、先に練習を終えたタイガースの前田健太がキャッチボール中の大谷に歩み寄ってきた。2人は2015年の「プレミア12」で侍ジャパンの一員として、ともに世界一を目指した先輩・後輩の間柄である。当時から前田は後輩の面倒見が良かった印象だ。
前田はかつて在籍した古巣ドジャースのデーブ・ロバーツ監督とも話し合い、エンリケ・ヘルナンデスが「ケンタさん!」と日本語で笑顔で近寄ってくる場面もあった。
大谷はその後の試合で決勝の適時二塁打を放ち、連敗を4で止めた。
王手をかけるメジャー通算200本塁打は出なかったが、5日に30歳を迎えて初の決勝打。ケガ人続出の苦しい状況で初戦を取った。7月2日以来、10日ぶりに取材に応じた大谷は、このように語っていた。
「なかなかこっちに流れが来ない中で皆、球数を稼いだり(相手先発スクバルに)そこまで長いイニングを投げさせなかったのでこういう形になっている。オールスターに入る前にしっかり連勝して後半に臨めたらと思います」
30歳の誕生日を迎えてから初の肉声でもあった。
「年齢は数字だけだと思うし、今のところ順調に…」
私は日本メディアへの取材対応冒頭で、肉体的や精神的な変化について大谷に尋ねた。20代に比べて、30代は一般的に回復力の変化や、これから年齢に抗うメンタル面で変化が出てくるからだ。
大谷は質問に対して、こう答えてくれた。