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「オオタニは最高の打者だし…」大谷翔平から三振を奪って“ヒーローになった男”も…「なぜ抑えられた?」対戦投手と監督が明かした“警戒度”
posted2024/07/27 11:05
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
「僕はこの瞬間のために、野球をやっている」
レッドソックスの先発右腕ニック・ピベッタは、ドジャース大谷翔平と対戦した試合の後にそう言った。
7月19日、ドジャースタジアムでの3連戦初戦。先発マウンドに立ったピベッタは大谷から3三振を奪った。1つ目はカウント2-2から高め95マイル(約153キロ)のボール球を振らせ、2つ目は1ボール2ストライクと追い込んでから再び高め95マイルの速球で空振り。3つ目は1ボール2ストライクと追い込んでからの高めストライクゾーンいっぱいに入ったカットボールで空振り三振だった。
「オオタニは最高の打者」だからこそ…
今季、大谷から3三振を奪ったのはブルワーズの右腕アーロン・シバーレとピベッタだけ。空振りは5個奪ったが、これはパイレーツの新人右腕ポール・スキーンズと並び1人の投手が1試合で大谷から奪った回数としては今季最多だった。
「僕はいつも最高の打者と対戦するために野球をやっている。オオタニは最高の打者だし、少なくとも最高の打者の1人。自分は、そういう相手と対決することを楽しんでいる。こういう瞬間に喜びを感じている」
大谷をこれほど完璧に抑えたのは、今回が初めてだった。対戦したのは昨年の5月24日以来だったが、過去の対戦では2本塁打を含む9打数4安打、3打点と打たれていた。投手としても昨季途中までは苦戦が続き一時は先発ローテから外されたのだが、それまで使っていたスプリットを封印しスイーパーを使うようになってから投手として復活を遂げたという。
昨季チームに移籍してきた救援右腕クリス・マーティンから特にメンタル面での助言を受けたことも変わるきっかけになった。「とにかく自分のベストの球をできるだけ多く使い、無駄な球は投げるな。攻めていけ」と言われたという。マーティンといえば2016年から2年間日本ハムでプレーした大谷の元同僚。そんなつながりから、助言が大谷攻略にも役立ったのだろうか。1年2カ月ぶりの大谷との対戦は、自分の復活はまやかしではないと、大いに自信を深めることにつながった。