テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「翔平との対戦で今まで出なかった力を」前田健太36歳は大谷翔平30歳に感謝した…“テレビに映らない”2人の関係と「人間・大谷の魅力」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/26 17:21
タイガースvsドジャースを前にした前田健太と大谷翔平。番記者が見た“テレビに映らない”関係性とは
「技術的にはもちろんそうですけど、フィジカル面も毎年、より良い状態で臨めています。今年ももちろん去年よりも状態は良い。その階段を一段ずつ上っているとは思う。特に年齢は数字だけだと思うし、今のところ順調に来ています」
こちらの質問の意図を100%伝えきれなかったかとは感じたものの、「年齢は数字」という答えはある程度、想定通りだった。大谷がどのような30代を過ごすかは全アスリートにとって興味深いものになるのではないだろうか。
“大賑わい”の200号ホームランボール捜索
《7月13日 VSタイガース(コメリカ・パーク) ●9-11》
テオスカー・ヘルナンデスが試合前に本塁打競争の練習を行っていた。
3セット、39スイングで柵越え14本。ディノ・エベル三塁コーチが打撃投手を務めた。テオスカーは、チームメートのホームラン後にヒマワリのタネで祝福し、さらには大谷と仲良しな姿を見せるのでおなじみになった。そんな彼に本塁打競争に向けての話を聞いてみると、「翔平にはコツを聞いていないけど、聞かなきゃいけないね。でも、翔平が出場した2021年とは状況が違う。“疲れた”とは言っていたよ」と笑みを浮かべていた。
大谷は5回にメジャー通算200号をマーク。右翼ポール際への完璧な一発だった。節目の200号とあって、大谷の今季全本塁打球の行方を取材中の私だけでなく、同業他社のほとんどが記者席を飛び出し、本塁打球をキャッチしたファンを捜索することになった。
タイガースカラーのオレンジ色のタンクトップにタイガースの帽子を被ったエリク・ワインクープさんはすぐに見つかった。多くのファンが見つめる中で取材を受けて、こう興奮気味に話した。
「これほど多くの人に注目されたことはない。大谷選手がこの球を欲しいというのであれば返したい」
200号ボールを取ったファンへの“プレゼント”
息子夫婦から「父の日」のプレゼントとして観戦に訪れていただけに「家族と楽しむためにここにいる。(大谷から)サイン入りボールをもらえたら最高だけど私は欲張りではない」と笑顔だった。
ワインクープさんは日本メディアへの取材対応後に、現地中継にも登場。インタビュアーに「日本メディアにどんな質問をされたの?」「今の気持ちは?」などと聞かれ、多くの注目を集めていた。