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「本当に素晴らしい」パリ五輪世代“アンリ監督の本音評価”をフランス語で聞いた取材記者、驚く「なでしこもフォロー」「我々に問題を…」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byKoji Watanabe/Getty Images
posted2024/07/23 17:34
パリ五輪直前の親善試合で笑顔の大岩剛監督とティエリ・アンリ監督
3月の国際親善試合では、マリに完敗した後に見事に弱点を修正し、ウクライナに日本は完勝した。同じことを今回もやればいいと。日本の目標はこのフランス戦ではなく、あくまでも五輪でのメダル獲得であるのだから。
だからこそ試合前に、レキップ紙の旧友であるレジス・テステランに日本の状況を聞かれたとき、正直にすべてを話した。
“記者の予想と全く異なる展開”になったワケ
直前の準備はフランスのようには整ってはおらず、チームは1週間前にフランスに入ったうえに、週末にはJリーグがあり全員が揃ったのは試合の前日であること。
そういう状況であるから日本の抵抗力は低く、フランス戦は日本にとって最高のレッスンになるであろうこと。ドミニカのようにフランスに完膚なきまでに粉砕されても仕方がないし、その方が日本にとって大会に向けていい準備になると率直に語った。注目の選手は誰かという問いには、斉藤光毅と藤田譲瑠チマと答えた。
ところが試合は、私の予想とはまったく異なる展開で推移した。テステランはレキップ紙にこう書いている。
フランスが対戦した3チームのなかで、日本が最もしぶというえに最も忍耐強く、守備が最も強固で技術的にも優れていたのは間違いなかった。それはゴール前でボールを失うというマニュ・コネの大きなミスから彼らが得た最初のチャンスで、巧妙な技術が遺憾なく発揮され、シント・トロイデンに所属する藤田のゴールへと結びついたのだった。
日本サッカーを昔から…なでしこもフォローしている
アンリもこう語っている。
「このチーム(日本)が素晴らしいプレーをすることはわかっていた。良くプレスをかけ、守備でも攻撃でもコレクティブにとてもよく機能している。そして左右両足での素晴らしいテクニックを備えている。彼らがライン間に入って来ないように注意を促した。それだけ難しい試合だった」
そして、このように日本サッカーへの評価を口にした。