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「6億円で0戦0勝」の馬も…セレクトセール“高額落札馬は走らない”は真実か? 歴代トップ10の“意外なその後”「自分の値段以上に稼いだ馬は…」
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島田明宏Akihiro Shimada
photograph bySankei Shimbun
posted2024/07/14 11:00
「歴代3位」の5億8000万円で落札されたアドマイヤビルゴ。ここまでリステッドを3勝しているものの、重賞には手が届いていない
ディナシー自身は購入者に利益をもたらすことはできなかった(と見られる)が、今後、牝系の枝葉をひろげながらGI馬や重賞勝ち馬を送り出し、「名牝」と呼ばれるようになる可能性は残されている。
本当の「答え」が出るのは、もっと先になりそうだ。
自分の値段以上に稼いだ馬は…歴代トップ10のリアル
史上2位の高額馬は既述のようにデルフィニアIIの2023。3位は、2017年セレクトセールにおいて5億8000万円で落札されたアドマイヤビルゴ(牡、父ディープインパクト)だ。7歳の今も現役で、19戦5勝。重賞勝ちはないが、リステッドを3勝している。現時点の獲得賞金は1億3057万円。次走は8月3日の札幌日経オープンを予定している。
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史上4位は昨年のセレクトセールでノースヒルズが5億2000万円で落札したコンヴィクションIIの2023(牡、父コントレイル)。この馬はノースヒルズの前田幸治代表から福永祐一調教師への「厩舎開業祝い」である。
5位は2020年のセレクトセールにおいて5億1000万円で落札されたショウナンアデイブ(牡、父ディープインパクト)。5歳のこの馬も現役で、21戦3勝。獲得賞金は7427万円で、今年6月2日の下鴨ステークスで2着になったあと休養中だ。
6位は、2004年のセレクトセールで4億9000万円で落札されたザサンデーフサイチ(牡、父ダンスインザダーク)。41戦3勝、獲得賞金7196万円という成績に終わったが、母が名牝エアグルーヴという良血なので種牡馬となった。しかし、これといった産駒は出ていない。
7位は、2021年の千葉サラブレッドセールで藤田晋氏によって4億7010万円で落札されたドーブネ(牡、父ディープインパクト)で、トップ10のなかでこの馬だけがセレクトセール以外での落札馬だ。今年5歳の現役馬で、17戦6勝、獲得賞金1億8336万円と頑張っている。
8位のリアド(牡、父ディープインパクト)は4億7000万円で落札された5歳の現役馬。16戦2勝で、4909万円を稼いでいる。9位のダノンエアズロック(牡、父モーリス)は4億5000万円で落札された3歳の現役馬。5戦3勝、獲得賞金は4462万円。今年のダービーでは5番人気に支持されて14着だった。そこを勝ってダービー馬の栄冠に輝いたのは同じ馬主のダノンデサイル(牡、父エピファネイア)だった。ちなみに、こちらの購入価格は1億3500万円。獲得賞金は3億8200万円で、まだまだ稼ぐだろう。


