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球体とリズムBACK NUMBER
“EUROで見納め”引退クロース34歳は今なお「パス成功率99%、逆襲ドイツの心臓」16歳ヤマルに20歳ベリンガムも…必見のV候補3カ国
posted2024/06/22 17:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
picture alliance/Getty Images
4年に一度、欧州の代表チームの頂点を決するEURO2024が6月14日に開幕し、連日、熱戦が繰り広げられている。全日程を消化したグループステージ初戦では、前評判の高いチームがほぼ順当に白星を手にし、番狂せと言えるのは、ベルギーが不運もあってスロバキアに敗れた一戦くらいだ。これは充実のトーナメントになる予兆かもしれない。
すべてのチームが初戦を終えた段階で、優勝候補からダークホースまで、注目国をいくつか挙げてみたい。(全2回)
《ドイツ》日本戦惨敗後の更迭劇から低迷脱却を
★グループA★
ドイツ 5-1 スコットランド
(ドイツ:フロリアン・ビルツ 10分、ジャマル・ムシアラ 19分、カイ・ハヴァーツ 45+1(p)、ニクラス・フュルクルク 68分、エムレ・ジャン 90+3分 スコットランド:アントニオ・ルディガー(og) 87分)
「見事な初戦だった! 今は物事を冷静に振り返るべきだが、この勢いを持続させよう。今日の試合では最初から最後まで、実に説得力のあるパフォーマンスだった」
開催国ドイツが開幕戦でスコットランドに5-1の完勝──ドイツのEURO史上最大得点差かつ開幕戦における最大得点差の勝利──を収めると、EURO2008でドイツの主将を務め、チームを準優勝に導いたレジェンド、ミヒャエル・バラックもご満悦だった。ダイ・マンシャフト(ドイツ代表の呼称)が開催国として好発進した例といえば、2006年W杯の開幕戦(コスタリカに4-2で勝利。バラックは負傷欠場)が思い浮かぶけれど、今回は内容、結果ともにそれを大きく上回った。
ドイツは現在、同代表の歴史で2度目の低迷期からの脱却を図っているところだ。
過去2回のW杯で史上初となる2大会連続のグループステージ敗退となり、前回のEUROでも16強どまり。昨年9月に日本に敗れた後、これまた同代表史で初めて監督を更迭し、後任に就いた36歳のユリアン・ナーゲルスマン監督がチームを立て直しているところだ。それでも大会前のファンの期待は決して高くなかった。
34歳クロース「パス成功率99%」にムシアラも感激
「組織の力は人々の感情に強く訴えかけるものだ」と現在36歳の指揮官は開幕戦後に話した。