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「カマダのパレス移籍はほぼ間違いない」英国ベテラン記者が明かす…クリスタルパレスが鎌田大地を熱望する“内部事情”「開幕レギュラーの可能性もある」 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2024/06/04 17:37

「カマダのパレス移籍はほぼ間違いない」英国ベテラン記者が明かす…クリスタルパレスが鎌田大地を熱望する“内部事情”「開幕レギュラーの可能性もある」<Number Web> photograph by Getty Images

鎌田大地(27歳)。プレミアリーグ・クリスタルパレスへの移籍が“秒読み段階”と報じられた

 昨シーズンより前の過去5年の成績は、12位、14位、14位、12位、11位。一時的に残留争いに巻き込まれたシーズンもあるが、最終的に残留圏で着地しており、一見すると成績は安定している。その一方で、翌シーズンへの上積みが小さく、欧州カップ戦の出場権争いに加わることもない。成績もプレー内容も変わりばえがあまりせず、近年のクリスタルパレスはマンネリに陥っている。

 こうした閉塞感漂う状況に、サポーターの不満が爆発した。ホジソン前監督時代に行われた今年1月のアーセナル戦。0−5で大敗したこの一戦で、サポーターは不甲斐ない戦いぶりに激怒しただけでなく、怒りの矛先をクラブ首脳陣に向けた。

 試合終盤、首脳陣に向け「ピッチ内外で我々のポテンシャルを無駄にし、消極的な決断がクラブを後退させた」との横断幕を掲げたのである。

 クラブは2021年に就任したパトリック・ビエラ監督の下で新しい時代を築こうとしたが、成績不振を理由に1年8カ月で解任。すると首脳陣は、ビエラ監督の前任だったホジソンを指揮官の座に戻した。2017年から4シーズンにわたり指揮をとった老将のホジソンを、指揮官に再指名した首脳陣の人事が「消極的」と批判されたのだった。

「目標はプレミアリーグ6位以内」

 最終的にホジソンは今年2月に体調不良もあって退任した。このタイミングで迎えたのがグラスナー監督なのである。2022年にフランクフルトを欧州リーグの頂点に導いたオーストリア人指揮官に、サポーターはチーム改革を期待しているのだ。魅力的なサッカーでサポーターのハートをもう一度熱く燃やしてほしい──。彼らはそう願ってやまない。

 ファイフィールド記者によれば、グラスナー監督は「欧州カップ戦出場権を獲得できる6位以内を来シーズンの目標に設定した」という。監督は実現可能と考えており、鎌田もこの挑戦を魅力的に感じているようだ。

 移籍が実現すれば、鎌田は世界最高峰プレミアリーグでさらに高いレベルの戦いに挑む。そして、新しく生まれ変わろうとしているクリスタルパレスの一員として、日本のサムライはしのぎを削っていくことになる。

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