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「カマダのパレス移籍はほぼ間違いない」英国ベテラン記者が明かす…クリスタルパレスが鎌田大地を熱望する“内部事情”「開幕レギュラーの可能性もある」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2024/06/04 17:37
鎌田大地(27歳)。プレミアリーグ・クリスタルパレスへの移籍が“秒読み段階”と報じられた
前任のロイ・ホジソン監督は、守備的でリスクを取らない戦術を好んだ。だが76歳の老将の下で黒星先行に陥り、政権末期は内容も悪かった。ホジソン前監督が体調不良に陥った事情も重なり、シーズン終了時までの契約を早め、クラブは指揮官交代に踏み切った。こうして2月にグラスナー監督を迎えると、内容も成績も次第に向上。指揮官のカラーに染まり始めたシーズン終盤は6勝1分の無敗で乗り切り、最終的に10位でシーズンを終えた。
クラブ首脳陣はそんなグラスナー監督の手腕を高く評価し、選手補強の権限を与えた。鎌田がその1人目の補強となるわけだ。スポーツディレクターのドギー・フリードマンも、今回の補強策には満足している」
移籍がウワサされる“約120億円コンビ”
鎌田の移籍に関して、英メディアは「既存戦力の去就がポイントになっている」と報じている。
グラスナー監督が採用しているのは攻撃的な3−4−2−1。攻撃的MF「2」の位置でレギュラーを務めるのが、フランスU−21代表MFマイケル・オリーセと、イングランド代表MFエベレチ・エゼだ。この2人に移籍の話が出ており、地元紙ロンドンイブニング・スタンダードは「鎌田は彼らの後釜になる」と伝えた。
そのためファイフィールド記者に聞いた。「鎌田は彼らの後任として期待されているのか」と。ファイフィールド記者は答える。
「まず、オリーセとエゼのどちらか、あるいは両方に移籍の可能性はあるが、100%退団するとは言い切れない。それぞれの契約解除金は6000万ポンド強(約120億円)に設定されており、売却相手は資金力を持つクラブに限られる。
特にオリーセは、チャンピオンズ・リーグに出場できるクラブへの移籍を望んでいるようだ。パリ・サンジェルマンやマンチェスター・シティといった強豪クラブにしか興味がないという。エゼに関しては、マンチェスター・Cへの移籍の噂がある。
ここで強調しておきたいのは、鎌田が彼らの後釜として入ってくるわけではないこと。むしろグラスナー監督は、鎌田がチームの新しい力になると考えているのだ。
フランクフルト時代と同じ様に、グラスナー監督は鎌田を“トップ下の10番”や“インサイドMFの8番”、さらに“セントラルMFの6番”として見ている。中盤にダイナミズムやエネルギーを注入しつつ、ゴール前の最終局面で違いを生み出せる稀有な存在と評価しているのだ。中盤の複数のポジションをこなす万能性も日本代表の特性だろう」
「カマダが開幕レギュラーになる“条件”」
オリーセとエゼはスピード溢れる突破が持ち味。一方の鎌田は、パスやドリブル、スペースへの侵入でリズムを生み出すタイプだ。「英メディアで指摘されている2人と鎌田はプレースタイルが違いますね」と聞いてみると、ファイフィールド記者は「そうだね」と答えて、こう話した。