- #1
- #2
酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
6年141億円契約も納得…ダルビッシュ有37歳「日米200勝の99球」全8球種ストライク率がスゴい〈大谷翔平80勝、前田健太で163勝〉
posted2024/05/24 11:03
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Sean M.Haffey/Getty Images
ダルビッシュは2015年に行ったトミー・ジョン手術のリハビリ期間中に、市井のピッチングデザイナー、お股ニキ氏とSNSを通じて知り合う。「一時期は恋人同士じゃないかと言うくらいやりとりをした」という中で、ピッチングトンネル理論(※複数の球種を同じ軌道でトンネルを通過させるようにして、打者が球種の判別をできないようにする)などを取り入れていく。
ドジャースを経てカブス移籍…実を結んだ2020年
ダルビッシュ有は、学閥や人脈などにとらわれず、良いと思う考え、技術はどんどん取り入れる柔軟さがあったが、この時期からダルビッシュは「学ぶ姿勢」をさらに加速させ「投球技術」を進化させた。
2017年にはトレード期限のタイミングでドジャースに移籍する。さらに2018年にはシカゴ・カブスに移籍するが、この年は右ひじの故障で8試合の登板にとどまった。2019年は味方の援護がなく6勝に終わった。
しかし2020年、ダルビッシュの取り組みが数字となって実を結んだ。
新型コロナ禍で60試合のショートシーズンになった年に、8勝で最多勝。日本人でこのタイトルを取ったのは史上初である。サイ・ヤング賞争いでは、レッズのトレバー・バウアー(のちDeNA)との競り合いになったが、惜しくも2位に終わった。
その後は移籍したパドレスの先発の柱として活躍。2023年2月には36歳にして6年総額1億800万ドル(当時のレートで約141億5000万円)の大型契約を結ぶ。チームが投手陣の柱、そして選手のリーダー格として、ダルビッシュ有の価値、存在感を高く評価した結果だった。
WBCのデータ分析で「マジすか、超助かります」
この3月のWBCでは、本人のコンディションが十分でないにもかかわらず宮崎の侍ジャパンのキャンプに参加、NPBの選手たちと交流を深めた。