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「翔平が怒ってます」「怒らせとけ」栗山英樹監督が日本ハム時代の大谷翔平に言い続けたこと「チームを優勝させてから行け。なぜなら…」
text by
栗山英樹Hideki Kuriyama
photograph byJIJI PRESS
posted2024/04/20 11:03
日本ハムファイターズ時代の栗山英樹監督と大谷翔平。栗山監督が明かした大谷メジャー行きの5年構想とは…
それくらいの覚悟がないと成功はできないと僕は思っていましたが、大怪我をしているときも、「行きます」はまったく変わりませんでした。チームに戻ってきたのは、オールスター直前の6月でした。そこから、翔平は準備をしていくのです。
翔平についてのドキュメンタリー映画がディズニープラスで配信されましたが、その中で翔平から一つ、僕は質問を受けたのでした。
「監督、僕がどの程度できると思っていましたか?」
実は僕は、もっと活躍することもあり得ると思っていました。ホームラン王だってあり得るし、ピッチャーの勝ち星はもっと伸びると思っていました。ひょっとしたら20勝するかな、くらいに思っていたのです。
「翔平が怒ってます」「怒らせとけ」
ただ、チームが勝てなければ、ピッチャーも勝てない。何試合使うかは本当に難しい問題で、何が正解かはわからないのが前提ですが、勝ち星を増やしたいなら、試合数をコントロールしたほうが、というのが僕の考え方です。でも翔平は、投げたくてしょうがない。ただ、人間は自分のことは、なかなかわからないのです。
2016年にファイターズがリーグ優勝したとき、残り3試合でマジック1という ヒヤヒヤの状況でした。残り2試合で翔平の先発が決まっていたのですが、それ以外でも「出してくれ」と翔平はマネージャーに言っていたようでした。
マネージャーが「翔平が怒ってます」と言うので、僕は「怒らせとけ」と返していました。より良い結果を出すために、休ませなければいけないときは、休ませなければいけないのです。
<続く>