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ベッツ絶好調は「大谷翔平ドジャース加入効果」では…身長175cmも打率.520、内外野で好守、ボウリングまで「憧れて当然」31歳の超万能伝説 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNanae Suzuki

posted2024/04/02 17:37

ベッツ絶好調は「大谷翔平ドジャース加入効果」では…身長175cmも打率.520、内外野で好守、ボウリングまで「憧れて当然」31歳の超万能伝説<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ドジャース大谷翔平にとって、ベッツという超一流かつ万能のメジャーリーガーが新たなる名相棒となるのだろう

 当時は体も小さく、球界が注目する選手ではなかった。しかしここから各レベルで好成績を挙げて、4年でMLB昇格する。

 入団時は遊撃手だったが、入団後に二塁手に転向、さらに2014年に外野手に転向してメジャーデビューする。以後、ときおり二塁を守ることはあったが、昨年まで中堅、右翼を守って屈指の外野手としてゴールドグラブを6回受賞した。ちなみに左翼は1試合も守ったことがない。

 その外野守備の名手が、昨年4月20日のカブス戦で代打出場すると、メジャー昇格後初めて遊撃のポジションを守り、23日の同じカードでは「1番遊撃」でスタメン出場、この試合ではマーカス・ストローマンから本塁打を打っている。

「外野からショート」へのコンバートは極めてレア

 ドジャースのロバーツ監督は、今季、ベッツを二塁手で起用する予定だったが、正遊撃手のギャビン・ラックスの守備が安定しないため、開幕から「1番遊撃」で出場させた。

 通算256本塁打、9年連続で2ケタ盗塁をマークするなど1番打者として圧倒的な実績を残しながら、守備でもユーティリティ的な活躍ができる。30歳を過ぎて、新たな価値を付加した印象がある。

「内野から外野」にコンバートされて大成した選手は日米ともに数多い。

 NPBで言えば、古くは広瀬叔功、真弓明信、西村徳文、最近でも福留孝介、西川遥輝などの選手が浮かんでくるが「外野から内野」にコンバートされた選手は、巨人、長嶋茂雄監督の元での高田繁と、現役のオリックス、宗佑磨くらいか。

 外野守備の名手だった高田は、長嶋監督に運動神経の良さを買われた。長嶋監督自身の引退後、レギュラーを固定できなかった三塁にコンバートされてダイヤモンドグラブを獲得したのだった。

 宗佑磨は2021年、外野手登録のまま三塁を守りゴールデン・グラブ。翌年にはゴールデン・グラブとベストナインも獲得したが、レアなケースだといえる。ましてや外野手から遊撃手となると極めてレアだといえよう。

4試合連続ホームランは「大谷効果」なのでは

 それだけに難易度が高いはずだが、ベッツは易々とこなしているように見える。

【次ページ】 4試合連続ホームランは「大谷効果」なのでは

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