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ベッツ絶好調は「大谷翔平ドジャース加入効果」では…身長175cmも打率.520、内外野で好守、ボウリングまで「憧れて当然」31歳の超万能伝説 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/04/02 17:37

ベッツ絶好調は「大谷翔平ドジャース加入効果」では…身長175cmも打率.520、内外野で好守、ボウリングまで「憧れて当然」31歳の超万能伝説<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ドジャース大谷翔平にとって、ベッツという超一流かつ万能のメジャーリーガーが新たなる名相棒となるのだろう

 以下はベッツがレギュラーに定着した2015年以降、データサイト『Baseball Reference』におけるベッツのWARのリーグ順位である。

 総合評価のWARと、打撃だけの評価であるOffensive WAR(oWAR)、守備だけの評価であるDefensive WAR(dWAR)。なおWARは複雑な係数がかかるので、単純にoWAR+dWAR=WARにはならない。

《ボストン・レッドソックス(ア・リーグ)時代》
 2015年 WAR6.1(6位)、oWAR 4.8(9位)、dWAR1.7(5位)
 2016年 WAR9.5(2位)、oWAR 6.4(5位)、dWAR2.7(5位)
 2017年 WAR6.4(8位)、oWAR 3.3(37位)、dWAR2.6(3位)
 2018年 WAR10.7(1位)、oWAR 8.7(2位)、dWAR1.6(10位)※MVP
 2019年 WAR7.3(5位)、oWAR 5.2(8位)、dWAR1.6(11位)

《ロサンゼルス・ドジャース(ナ・リーグ)時代》
 2020年 WAR3.6(1位)、oWAR 2.6(6位)、dWAR0.9(7位)
 2021年 WAR4.0(20位)、oWAR 3.5(27位)、dWAR0.2(108位)
 2022年 WAR6.7(3位)、oWAR 5.1(12位)、dWAR1.2(19位)
 2023年 WAR8.3(1位)、oWAR7.5(2位)、dWAR0.8(28位)

トラウトでも年々守備の評価が下がってきているのに

 シーズン中、各リーグでプレーする選手が800人を超えるなか、ベッツは常にトップクラスを維持している。特筆すべきは、彼が「打撃」だけでなく「守備」でもポイントを稼ぎ「合わせ技」で毎年のようにMVPの有力候補になっていることだ。

 多くの強打者はoWARが大きくプラスでも、dWARは小さな数字、あるいはマイナスのことも多い。マイク・トラウトは若いころは守備範囲が広く、肩が強い外野手で、2012年にWAR10.5(1位)を記録した時は、oWAR8.7(1位)、dWAR2.0(8位)だったが、2019年にWAR7.9(3位)を記録した時は、oWAR8.1(1位)に対してdWAR0.0(459位)と守備の評価が足を引っ張っている。

 しかしベッツは31歳の今も守備での貢献度が高い。しかもベッツは「外野でも内野でも」数字を残しているのだ。

外野でゴールドグラブ6回どころか…二塁と遊撃も

 ベッツのキャリアを簡略的に振り返ってみよう。ベッツは2011年、高校からドラフト5巡目(全体172位)でレッドソックスに入団。ちなみにこの年のドラフト全体1位はゲリット・コール(ヤンキース)、3位はトレバー・バウアー(昨年DeNA、今はFA)だった。

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