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大谷翔平「ドジャースで大きな難題に直面するでしょうし、直面したい」エンゼルス記者が見た入団会見「オオタニを満たすのは勝利しかない」 

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ジェフ・フレッチャー

ジェフ・フレッチャーJeff Fletcher

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posted2024/03/31 11:01

大谷翔平「ドジャースで大きな難題に直面するでしょうし、直面したい」エンゼルス記者が見た入団会見「オオタニを満たすのは勝利しかない」<Number Web> photograph by ZUMA Press/AFLO

数ある選択肢の中から、ドジャースを選んだ大谷翔平

 勝利の実績と観客動員数の両方で、大きな成功を収めた。ドジャースタジアムは、ロサンゼルスのダウンタウン近くの丘にあるが、メジャーリーグ球場のなかでもっとも見栄えがよいスタジアムとされている。

 ドジャースは、ロサンゼルスでの最初の30年間に9回のワールドシリーズ出場を果たし、5回優勝した。

 1988年のワールドシリーズでは第1戦に、カーク・ギブソンが決勝本塁打を放った。これは、メジャーリーグ史上もっとも有名なホームランのうちの1本である。

 1995年に、右腕投手の野茂英雄が日本を離れてドジャースと契約し、その後、日本人選手がメジャーに渡る道を切り開いた。

 野茂マニアがロサンゼルス全体を席捲し、ドジャースのファンは本塁に背中を向けてから投球する独特のフォームに熱狂した。

 数十人の日本人記者が野茂とドジャースを追い、その後、日本人選手がアメリカで 活躍したときの取材パターンをつくり出した。イチロー(鈴木一朗)、松井秀喜、黒田博樹、田中将大、ダルビッシュ有……そして、大谷翔平といった日本人スター選手を追いかけて報道するときの作法となったのである。

 大谷が2023年に自らチームを選ぶ機会を手にしたとき、多くの人が強豪名門球団、たとえばヤンキース、レッドソックス、ドジャースといった球団を選ぶことを期待していた。

「大きな難題に直面するでしょうし、直面したい」

 この9カ月前、大谷は日本代表をWBCで優勝に導いた。マイク・トラウトを三振に斬って取り優勝を確定させたときには、グラブを中空に投げ、雄たけびを上げた。

 あの優勝の瞬間は、人生で最高の瞬間だと彼は述懐した。だから、大谷が新しい球団で「世界一」のあの感動を、もう一度と願うのは当然のことだろう。

「当然ながら、僕は優勝したいです」

 大谷はドジャースタジアムでの記者会見で明言した。

「あの優勝したときの決勝戦を思い出すと、みなさんには僕が主力選手だったと記憶してほしいと思います。僕は大きな役割を果たしたと思っています。優勝チームの中心選手でした」

 メジャーリーグで最終的に優勝するのは、並大抵のことではない。

 それは、ドジャースの近年の10月における「失敗」が何よりの証拠だ。

 大谷は、このチームに加わることにより、待ち構えている難問がいかなるものかをよくわかっているように見えた。そして、こう語った。

「僕はもっと挑戦したい。僕はこのドジャースでさらに新しくて大きな難題に直面するでしょうし、直面したいです。僕はもう覚悟しています」

『SHO-TIME2.0 大谷翔平 世界一への挑戦』著:ジェフ・フレッチャー、訳・タカ大丸(徳間書店)『SHO-TIME2.0 大谷翔平 世界一への挑戦』著:ジェフ・フレッチャー、訳・タカ大丸(徳間書店)
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