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「オオタニの新通訳ウィル・アイアトンって何者?」米国でも話題に…大谷翔平会見、米国メディアはどう報じた? 日本と全然違う「出場停止」への意見
posted2024/03/27 20:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Getty Images
ドジャー・スタジアムで行われた記者対応が終わって、私のところにもテレビやラジオの担当者から問い合わせが来る。
「あの会見、率直にどう思われましたか?」(最近、「率直に」と質問するマスコミの人が多い。そう聞かれたら、率直に答えたくなくなりますよ)
「質疑応答がないのは、まずいんじゃないですか?」
私個人としては、現状、大谷は話せることを話したのではないかと思っているし、これまで感じていた疑問点、
「大谷が水原氏のギャンブル癖や多額の借金を知っていたとしたら、ドジャースに連れていくだろうか?」
ということに関しては、韓国での第1戦が終わる時点まで知らなかった――ということで話の筋は通る。
辛口な論評も…「告白も謝罪もなかった」
さて、この会見をアメリカのメディアはどう見たか。全国紙『USA TODAY』は、
「暗い秘密が暴露されることもなく、刺激的な告白も謝罪もなかった」
と辛口な論評であるが、CNNは、
「大谷は、これまでいかなるスポーツ賭博にも関係しておらず、かつての通訳が『お金を盗み取った』と話した」
と見出しを打ち、ワシントン・ポスト紙は、
「大谷翔平はスポーツに賭けたことは一度もなく、通訳の水原一平が金を盗み、嘘をついたと話した」
と同じような見出しが並んだ。
つまり、推測、憶測の類の話を書くのではなく、会見を冷静に報じている。
「なぜ6億円以上が消えたことに気づかない?」
ただし、質疑応答がなかったことで、
「6億円以上もの金が口座から消えていたことに気づかなかったのか?」
と万人が抱く疑問が消えることなく、浮遊することになってしまった(逆に日本の情報番組を見ていると、疑問が解決されなかったことで、あれやこれやの喋る余地が残され、かなりの時間が消費されているのが興味深い)。
本当に大谷は気づいていなかったのか?