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「オドーア電撃退団」は巨人にとって“激震”ではない? むしろ“吉兆”ともいえる2つの理由…阿部慎之助監督「残念ですね。けど、仕方ないかなと」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2024/03/28 18:48

「オドーア電撃退団」は巨人にとって“激震”ではない? むしろ“吉兆”ともいえる2つの理由…阿部慎之助監督「残念ですね。けど、仕方ないかなと」<Number Web> photograph by KYODO

メジャー通算178本塁打の実績で巨人に入団したオドーアだったが、開幕3日前に退団することになった

「開幕を考えていないとおっしゃったときも、故障班とか三軍で腐らずに、諦めずに一軍を目指してやってきたので、やって良かったです。自分が一番若いけど、どんどんアピールして、監督に浅野が必要と言ってもらえるようにしたい」

 二軍で結果を残し、3月19日のロッテ戦で一軍に昇格。翌20日の同カードに「2番・中堅」で先発すると、すぐさま第1打席で左翼に二塁打を放って存在感を示した。文字通り結果を残して、開幕一軍切符を手にした訳である。

 開幕2戦目の阪神先発は左の大竹耕太郎投手が有力だ。勢いと思い切りの良さを買って、浅野のスタメン抜擢も十分に考えられる状況となってきた。

開幕直前の巨人に1つの波を起こした

 オドーアを一軍に残していれば、そんな選択肢もなかなか生まれてこなかったはずである。純粋に選手起用の幅を考えただけでも、今回の退団騒動はプラスになる。少なくとも巨人の新しい姿につながる、そのきっかけが生まれたことだけは間違いないだろう。

「監督にとって大切なことは、決断できることや。批判をされても、自分の意思を明確に選手に示して、それを実行する。そうしないと選手はついてこないさ」

 亡くなった星野仙一さんから中日の監督時代に聞いた“監督論”だった。

 オドーアを開幕メンバーから外してファームでの再調整を命じる。阿部監督がその決断をしたことが、開幕直前の巨人に1つの波を起こした。ただその波は決してチームをマイナスに揺るがすような激震とはならなかった。

 オドーア退団は、むしろ巨人にとって開幕前の吉兆となるはずである。

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