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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「大谷翔平には“国籍”を感じない」韓国ベテラン記者が率直に明かす「大谷翔平と日本野球への評価」「韓国と日本、なぜ差がついた?」
text by
崔敏圭Choi MinGyu
photograph byNanae Suzuki
posted2024/03/24 11:05
韓国球界で長年取材を続けてきたベテラン記者も絶賛する大谷の存在。日本球界と韓国球界の比較についても言及が…
今の韓国野球は1997年の金融危機に近い状況
一方で韓国野球の今の状況は、1997年の韓国経済危機(注:日本では「アジア通貨危機」として知られる)と似ている。資本と労働の量的投入で成長を成し遂げたが、「革新」を通じた質的発展が後押しされずに訪れた危機だった。21世紀の世界野球で最も重要なトレンドは「球速革命」ともいえるほどの球速の大幅な向上だ。日本の野球はこの点で大きく進歩し、韓国はまだ入り口の段階にいる。
韓国野球ファンにとっての「イチローと大谷」
日本の読者からすれば、世界で活躍した選手としてイチローが思い浮かぶ方もいるだろう。日米通算4367安打を放ったイチローは韓国で尊敬される選手だ。だが、愛された選手というイメージは弱い。彼はたとえると「日本野球」が人の肉体を得て、グラウンドで打って走っているというイメージだった。ところが、大谷にはそういった「国籍」が感じられない。誰よりも速くボールを投げて強く打つ。そして速く走る。野球本来の美しさを誰よりもよく見せている。このような選手を愛さない野球ファンは珍しい。
<前編とあわせてお読みください>