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ダルビッシュvs大谷翔平“あの初対決”にも影響、松井裕樹も“餌食”に…「ピッチクロック」厳格化で今季どうなる?「昨季は盗塁1000個も急増」
posted2024/03/24 11:06
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
3月20日、世界中の野球ファンが注目した韓国・ソウルで初開催された「パドレス―ドジャース」のメジャー開幕戦。日米通算プロ20年目、メジャー13年目で2年ぶり4回目となる開幕投手を務めたパドレスのダルビッシュ有は初回、先頭のムーキー・ベッツに対し、3ボール1ストライクから「ピッチクロック」違反で「ボール」を宣告され、予期せぬ形で四球を与えた。シーズン開幕の先頭打者を「ピッチクロック」違反で歩かせたうえに、続く打席には、ドジャースとしてのデビュー戦で、ダルビッシュにとっても日米を通じて初対決となる大谷翔平が待ち構えていた。
世紀の一戦のウラでダルビッシュが感じていた「早投げ」の圧
「一緒にトレーニングをしていた時期もあるし、今までの関係もあって不思議な感じもした。でも、ピッチクロックがあるので投げないといけなくて…」
登板前こそ、「私情を挟まず」と、あくまでもドジャース打線の1人としての思いを口にしていたものの、日本ハム時代の背番号「11」の後継者で、昨年3月のWBCでも同僚として戦った後輩の立ち姿に、マウンド上ではひそかに感慨を覚えた。結果として、第1打席は、外角へのスプリットで遊ゴロに仕留めた。その一方で、「ゆっくりと楽しむことはできなかったです」と振り返ったのも、「ピッチクロック」による慌ただしさの影響があったことは想像に難くない。
昨季から導入された「ピッチクロック」の規定は、今季からさらに厳格化された。走者なしの状況で「15秒以内」が継続された一方で、走者ありの状況は「20秒以内」から「18秒以内」に短縮された。昨季は、1試合の平均時間(9イニング)は24分間短縮され、2時間40分とテンポは格段にアップした。開幕当初は対応に戸惑う選手も多く見られたが、明らかな成果が見られたこともあり、シーズンが進むにつれて日常化した。
松井裕樹の証言「あの1球だけ意識が飛んでいた」
だが、今季からメジャー入りする選手にとっては初めての経験でもあり、対応が必要であることも間違いない。