石上に「プロになって興味深かったこと、面白いなって思ったことは何ですか？」と訊くと、間髪入れず以下のように答えるのだ。

「同期の度会は、すごいキャラだと思いました。ずっとしゃべっていますしね」

　そう言うと石上は笑った。

「それに、あれだけ注目されている中で結果を出していることは素直にすごいと思うし、ああいう“強さ”っていうのは、うらやましく思いますね」

やっぱり負けたくない

オープン戦で目覚ましい活躍を見せた度会　©JIJI PRESS

　オープン戦で首位打者となり話題をさらった1学年下の度会の後ろ姿は、石上にとってこれ以上ない刺激になった。

「やっぱり負けたくないっていうのはありますよね。度会が打ったら、よし自分も頑張って打たなきゃなって。本当にいい影響を受けているし、切磋琢磨しながら一緒に試合に出て行けたらいいなと思っています」

　ドラフト同期ならではの絆。競争相手ではあるが、いい意味で自分を焚きつけ、能力を引き出してくれる存在。結果、石上はオープン戦で度会ほどではないにせよ、ルーキーとしては十分にインパクトを残すことができた。

度会にはどんな意識で打っているのか訊いたりする

「試合中も度会にはどんな意識で打っているのか訊いたりするんですよ。それを自分のアイディアとして取り入れたりもしていますね」

　度会という独特な個性と技術を持つ選手がいたことが、石上にとってラッキーだったのかもしれない。度会もまた「同期とは仲がいいんです。だから一緒に頑張りたいですね」と、常々語っている。

　何と言っても石上の最大の持ち味は、長打も打てれば、広角にもしっかりとコンタクトできるバッティングである。

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