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度会隆輝は「素直にすごい」「でもやっぱり負けたくない」同期ドラ4・石上泰輝が語る、度会との絆「実は野球を辞めようと思ったことも…」
posted2024/03/25 11:08
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
心を整え、肉体を磨き上げる――。
1月の新人合同自主トレからスタートしたプロ生活。牧秀悟ら主力となるメンバーが集った宜野湾キャンプ、そしてオープン戦全試合に帯同された横浜DeNAベイスターズの新人内野手である石上泰輝は、少しだけ疲労感を漂わせつつも、充足感のある表情で言った。
僕たち新人がやりやすい環境
「毎日毎日、必死に付いて行くっていうか、がむしゃらでしたね。夜になると一気に疲労がくる時もあるんですけど、とにかくケアをしっかりとして、次の日に持ち越さないように心掛けています。プロになって朝から晩まで野球漬けの生活は、想像していたよりもきつかったですね」
大変そうな口調ながらも、どこか石上は楽しそうだ。東洋大からドラフト4位で指名され、喜び勇んで足を踏み入れた夢の世界は、厳しくもあり、生きがいを感じられる場所だった。
「結果が出なければ、やはりメンタルにきますけど、そこもその日に反省をして、翌日に引っ張らず切り替えるようにしています。ベイスターズの先輩方は優しいですし、僕たち新人がやりやすい環境を作ってくれているので、本当に感謝しています。野球で生活をしていくことは、自分が目指していたことなので、これからどうなっていくのか、すごく楽しみにしています」
プロ向きの内野手はオープン戦で猛アピール
自分への期待感。新人ながら、心身ともに悪いことは引きずらず、はっきり“切り替えていく”と言える石上は、プロ向きの選手だといえるだろう。
オープン戦は、猛アピールの日々だった。16試合に出場し、打率.327、1本塁打、5盗塁、OPS.840という成績。オープン戦後半は、仕上がり段階にある相手投手に手を焼くこともあったが、持ち前の打力と走力で存在感を示すことに成功した。また守備では本職のショートに加え、セカンド、サードにも入りユーティリティーとしての適性を試された。プロの強烈な打球速度に苦戦する場面もしばしば見られたが、肩も強く、伸びしろを感じさせる守備だった。
プロになって面白いって思ったのは?
DeNAのルーキーといえば、どうしてもドラフト1位の度会隆輝に注目が集まってしまうが、オープン戦での起用法を見るかぎり、首脳陣からの石上へ対する期待値の大きさが窺えた。