テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「違反。3秒オーバータイムです」大谷翔平がイタズラっぽい笑顔…“TVに映らない”自然体インタビュー「オオタニ顔だらけTシャツ」への本音は?
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2024/03/23 11:02
2019年のエンゼルス大谷翔平。番記者が単独インタビューで見た“素顔”とは
9月13日に左膝の手術を受けた大谷は、Tシャツ配布日の前から欠場しており、感想を聞く機会を逃していた。今回、やっとその質問をぶつけると「(デザインは)良くはないんじゃないかな。いろいろな表情のほうが良いと思います。僕が作るなら……」と照れ笑い。確かに無数にプリントされた大谷の表情は全て同じだ。
それでも斬新なデザインが面白がられ、意外にも(!?)ファンから大好評だった。大谷の鋭い指摘を参考にぜひ、商品化してほしいと願ったが、残念ながら実現しなかった。
「違反。3秒オーバータイムです」
カメラマンとしては、冷や汗をかいた。1日目に東京版1面を飾った大谷のメイン写真は、右手にボール、左手にバットを持った姿をリクエストしたもの。実はプロ1年目の2013年元日付紙面と同じポーズだ。二刀流復活の来季に向け、同じポーズを依頼した。
本人は「高校日本代表の時(の写真)じゃない?」とすっかり忘れていたようだが、快諾。目力のある表情もしっかり決めてくれた。写真撮影中、予定していたインタビュー時間の終了を告げるアラームが鳴り「違反。3秒オーバータイムです」と、いたずらっぽい笑み。飾らない姿は、どれだけスターになっても変わらないのだろう。
11月22日。大谷が成田空港着の日本航空機で米ロサンゼルスから帰国した。報道陣の数は、昨年と違い私とカメラマンのスポニチの2人だけ。午後5時14分。紺色のブルゾンジャケットにスニーカー姿の大谷が到着口に姿を見せた。10人の警備員が配置されたが、突然の出来事に、居合わせた人たちから気づかれることはなかった。右肘、左膝のリハビリも順調なのか、軽い足取りで関係者出口から空港を後にした。
<つづきは第3回。不振に苦しんだ2020年時のインタビューで見せた素顔と“結婚観への返し”について触れています>