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大谷翔平の妻「一般席観戦で危険じゃないの?」実は“ひっそり厳戒態勢”だった…ある騒動からドジャース逆転まで「現地で目撃」韓国開幕戦ウラ側
posted2024/03/21 11:29
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Nanae Suzuki
その歴史的な一日は、物騒な「爆破予告」から始まった。3月20日朝、飛び込んできたのは「ドジャースとパドレスの開幕戦が行われる高尺スカイドームを爆破するとの脅迫状が届いた」という一報だ。現地テレビ局のニュースによると、脅迫メールには「大谷翔平に危害を加える」との一文もあったといい、球場周辺は試合前から物々しい雰囲気に包まれた。
“爆破予告”…不安あった試合前
特殊部隊や探索犬による捜査、金属探知機、厳重なセキュリティーチェック……。昼過ぎにはMLB側に「危険物は見つからなかった」との報告が届き、予定通りの試合開催が確認されたが、試合前会見では両チームの監督いずれにも「爆破予告」に関する質問が飛んだ。
「不幸なニュースだが、メジャーリーグや野球に対するセキュリティーチームの実力を信じている」とパドレスのマイク・シルト監督。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、韓国到着時の仁川国際空港で“生卵投げつけ騒動”にも遭遇していたが、「(爆破予告も)正直なところ、そこまで気にはしていません」と語った。
ブラウン&ゴールド、そしてドジャースブルー。日韓米から駆けつけたメジャーリーグファンが座席を埋めていくに従って、ひんやりとした空気は暖まり緊張感が次第にほどけていく。かくして無事、不穏な出来事は何も起きぬまま午後7時5分、熱狂に包まれプレーボールの時は訪れた。
ドジャース家族席に…大谷妻の姿も
その20分ほど前のこと。ドジャースベンチ上方のスタンドに“春風”が吹きぬけた。2月29日に結婚を発表したばかりの大谷の真美子夫人が姿を現したのだ。声をかけられた日本人ファンに会釈をしながら腰掛けたのは一塁側の一般観客席。ガラス張りのVIPルームでもなければ、悠々とした特別席でもない。ドジャースのチームメートの家族たちと共に席に着き、ユニフォームとキャップを身につけ、大谷の新天地での初陣を見守った。