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大谷翔平21歳「そんな人は信用できませんよ」長年追う番記者が“唯一本気で怒られた日”の自戒…「節度を持った取材、できているか?」

posted2024/03/23 11:01

 
大谷翔平21歳「そんな人は信用できませんよ」長年追う番記者が“唯一本気で怒られた日”の自戒…「節度を持った取材、できているか?」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2016年の大谷翔平。二刀流が花開き、自身はMVP、当時所属の日本ハムは日本一の栄光を掴む1年だった

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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Hideki Sugiyama

 ロサンゼルス・ドジャースでの挑戦が始まった大谷翔平。日本ハム時代から10年以上にわたって『スポーツニッポン』紙で番記者を務める柳原直之氏の著書『大谷翔平を追いかけて-番記者10年魂のノート』(ワニブックス)より一部転載でご紹介します。第1回は“番記者として唯一怒られた、2016年のある日”について。<全3回の第1回/第2回第3回も配信中>
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番記者歴10年、唯一本気で大谷に怒られた日

 大谷は2月8日の韓国・ロッテとの練習試合に「3番・DH」で実戦初出場。初回の第1打席で初安打を放ち、大リーグ13球団のスカウトが集まった中、打者として結果を出した。この日は米メディアがここぞとばかり大谷に取材攻勢をかけていた。

 地元ラジオ局に加え、大リーグ公式サイトが単独取材を敢行。担当したバリー・ブルーム氏は、かつてイチロー、松坂大輔(元レッドソックスなど)らへのインタビュー経験がある、名物コラムニスト。メジャー移籍後の現在も大谷について書き続けている。

 この時、同氏は大谷の将来的な二刀流での大リーグ挑戦について懐疑的な意見を述べた。「私はこれまでケガをしなかった(大リーグでの)日本人投手を見たことがない。大リーグでもこれまで二刀流はいない」。昨季もダルビッシュ、田中将大(ヤンキース)が右肘を故障した原因のひとつとされるのが、「中6日」が基本線の日本よりも短い登板間隔。二刀流をケガなく本当に続けられるのかと疑問視していた。

 ただ、こうも言った。「ベーブ・ルースのように投手がもしダメでも、打者でやれる可能性がある」。投打の才能を過小評価しているというわけではない。大谷は「日本でやりきったら大リーグに行きたい。時期は僕が決めることではない」と答えた。

アリゾナキャンプにいた複数のメジャー大物幹部

 アリゾナキャンプ最大のハイライトは、2月10日の韓国・ロッテとの練習試合での実戦初登板だった。最速157キロの直球を軸に4者連続三振を奪うなど2回を1安打無失点。ネット裏にはメジャー全30球団、約70人のスカウト陣が詰め掛け、ビデオ撮影やスピードガンで球速を測り、1球1球、克明にメモを取った。野手として出場した8日の同戦の13球団20人強を上回る「大谷品評会」だった。

 驚いたのはスカウト陣の中に複数の「大物幹部」の姿があったことだ。

【次ページ】 後輩の「どう逆方向に飛ばすんですか?」の質問に…

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