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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「夢に試合のシーンが出てきて…」鈴木彩艶がいま明かす“アジアカップの苦しみ”とは? 胸に響いた“冨安健洋の言葉”「すべて過程だから」
posted2024/03/06 11:06
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Number Web
「夢に試合をしているシーンが出てくることも…」
アジアカップ前の鈴木彩艶の経験値は、所属クラブでのリーグ戦出場が浦和時代の8試合、シント・トロイデンでの16試合を合わせて「24」。そして代表キャップが「4」。アンダー世代の代表戦やカップ戦の出場はあれど、過去に類を見ない“浅いキャリア”で日本代表の正GKに抜擢されたことになる。
この場数で、21歳の鈴木は自信を持ってアジアカップに臨めていたのだろうか。
「昨年の夏にベルギーへ移籍してからは継続して試合に出ていたので、そういった部分では自信もありました。ただ、アジアカップでプレーするのはもちろん初めてでしたから、改めて考えるとやっぱり重圧もあったと思います」
では、どんな時に重圧を感じていたのか。
「試合中は頭の中をクリアにしてプレーできていますけど、試合後であったり、試合結果を受けていろいろな声を聞いたり、日本代表として結果が伴わない時に……。夜は眠れてはいたのですが、頭の中はずっと動いているような感じで、夢に試合をしているシーンが出てくることもありました。こういう夢は、今まで見たことがありませんでしたね」
カタールでは常に覇気を保っていたが、見えないところではやはり苦悩があった。
「この大会は特にメンタルが鍛えられましたね。一言で言うと、そういう大会になりました。いろいろな(批判の)声を受け入れて次に進むことについて、いつも以上に時間がかかったなという印象があります」
今だから明かせるメンタル面の負荷。とはいえ、大会中はどんどん試合がやってくる。
上田綺世と交錯した“あのオウンゴール”を自ら検証
グループステージ第3戦のインドネシア戦では、ロングスローから逆サイドの選手に合わされて流し込まれたが、これは守備範囲だったようにも見えた。
「あのシーンではポジション移動までは良かったのですが、想定していた強いシュートではなかった。最初は足で対応しようと思ったのですが、そこまで強くなく少しドライブのかかるようなシュートが来たので止まりきれず、その影響で体重が後ろにかかって手の出し方がおかしくなってしまった。あれは防がないといけないシチュエーションでした」