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「佐々木朗希の育成法に“甘い”という声も頂戴しますけど…」吉井理人監督が明かすロッテVへの青写真「エースは小島」「内野をシャッフルして…」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/02/13 11:06
投手コーチ時代から信頼関係を築く吉井監督と佐々木朗希
朗希育成法の「真意」
そしてもうひとり、なにかと話題が多い佐々木朗希については、今年はどんなプランを持っているのだろうか。これまで佐々木の育成に関しては、球団として徐々に負荷を増やしていくという、段階的なアプローチを実施してきた。外野からは「ゆとり登板」などと揶揄する声も上がっていたが、吉井監督はこう話す。
「朗希の育成法については『甘い』という声も頂戴しますけど、体調管理についてはかなり余裕をもって起用した方がいいと、今でも思ってます。ただ、今年は小島、種市同様に中6日で投げてもらうつもりです。当初の育成計画では、昨季の時点で中6日、イニング無制限にする予定だったので、1年遅れということになりますね。
ただ、昨季の投球回数が91イニングで、いちばん投げた2022年でも129回3分の1です。アメリカでは若手投手を育成するにあたって、投球回数は『前年比』で計算していく球団が多いんですよ。前年比で一定の割合を超えると故障のリスクが増えるという発想ですね。去年が91イニングだったことは意識しつつも、最後までローテーションを守ってもらえるようマネージメントしていきたいと考えています」
“内野シャッフル”の効果
2年目を迎え、吉井監督は種市、佐々木だけでなく20代の若手が「飛躍」の年を迎えて欲しいと考えている。
「ウチの選手たちは着実に成長はしています。ただし、成長曲線が緩やかなんです。もう少し、傾きを急にしたい。それをどうやって実現していくか、知恵を絞っているところです」
野手陣については、「内野のポジションをシャッフルして、刺激を注入します」と話す。現状、キャンプで取り組んでいるのは次のようなシフトだ。
一塁 安田尚憲 ソト
二塁 藤岡裕大
三塁 中村奨吾 上田希由翔 安田
遊撃 茶谷健太 友杉篤輝
「シャッフルの意図は、各々の守備の負担を減らし、シーズンを通して高いレベルの打撃を維持して欲しいからです。藤岡はショートよりもセカンドの方が投げる距離も短いので、より打撃で存在感を示してくれるはずです。中村奨吾は去年、バッティングで苦しみましたけど、サードの方が運動量は少ないはずなので、打撃により集中できるんじゃないかと期待しています」