- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
「佐々木朗希の育成法に“甘い”という声も頂戴しますけど…」吉井理人監督が明かすロッテVへの青写真「エースは小島」「内野をシャッフルして…」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/02/13 11:06
投手コーチ時代から信頼関係を築く吉井監督と佐々木朗希
7年目・安田に求めるもの
そして7年目を迎える安田については、安心して中軸を任せられるかが評価の分かれ目になる。
「安田は徐々に、徐々に良くなっています。でも、入団した時の期待度を考えると、まだまだ物足りません。同じ学年のスワローズの村上(宗隆)君くらい打ってもらわないと困ります」
昨季、安田の本塁打数は9本。たしかに、これでは物足りない。その意味で真価が問われる年になる。
その安田を本塁打数、打点で上回ったのが山口航輝だ。山口は今季からレフトでの起用が見込まれる。
「山口が外野に回るので、藤原(恭大)、平沢(大河)といった選手たちとの競争が激しくなります。そこで頭一つ抜け出る選手が出てくることを期待してます」
選手たちが描く成長曲線のカーブを、なんとか急峻なものにしたい。その実現に向けて吉井監督は知恵を絞っているが、吉井監督自身も2年目となり、昨季の経験を生かしたいと考えている。
「監督になってから、野球の見方が変わりました。コーチの時は極端な話、チームの勝敗よりも投手のパフォーマンスの方が気になるわけです。監督になると、ぜんぜん違います。昔は『監督なんて、誰がやっても一緒やろ』と軽く考えていいたんですが(笑)、いろいろな選択肢があって、決断する場面がこんなに多いのかというのは感じました。たしかに、判断によっては年に何試合か、勝敗が入れ替わることがあり得るかもしれません」
攻撃面は発見の連続
試合中は金子誠戦略コーチと話し合いながら作戦を決めていくが、野球そのものに関して発見があったという。
「攻撃面では勉強になることが多かったです。たとえば1死一塁、カウント3−2の場面でエンドランのサインを出すじゃないですか。そんなに難しい技術じゃないだろうと思っていたんですが、これが難しい。低めに変化球を投げられると、バットに当てる確率が下がることに驚きました」
投手だけではなく、野手、特に外野手の消耗度についても気づきがあった。
「野手の疲労度も想像がつかなかったです。外野手は打球が飛んでいかない限り、そんなに忙しくないと思うじゃないですか。ところが、チェンジのたびにダグアウトと外野を行き来してると、結構、疲労がたまるらしいんですよ。これも驚きでした」