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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「ファイターズ時代と変わっていなかった」WBCの“大谷翔平&ダルビッシュ秘話”から「ロッテ指揮官のリアル」まで〈吉井理人監督インタビュー〉
posted2024/02/13 11:05
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Haruka Sato
群雄割拠のパ・リーグの頂点を目指すロッテ・吉井理人監督。レギュラーシーズン最終戦で劇的にリーグ2位を勝ち取った監督1年目の試行錯誤。そして新シーズンを前に、描く構想をNumberWebのインタビューに語った。〈全2回の前編/続きを読む〉
千葉ロッテマリーンズの吉井理人監督が、2シーズン目のキャンプを迎えている。
監督として初めて采配をふった昨季、監督の1日は、次のように進んでいった。
「ナイトゲームの日は、家を出るのが朝の9時半とか、10時とかそのくらいです。車の中で対戦相手のデータを見たり、試合の準備に入ります」
大切な気分転換の時間
湾岸エリアにあるZOZOマリンスタジアムに到着すると、まずは自分のトレーニングに励む。
「午前中は自分のための時間です。現役時代はパフォーマンス向上のためにウェイトトレ―ニングをやっていましたが、精神衛生上、すごく良いことに気づいたんです。打たれた時は憂さ晴らし。相手を抑えた時は抑えた時で、前向きな気持ちで取り組める。その習慣が続いてて、今は自分自身の健康のためもありますし、大切な気分転換の時間になってます」
ひと汗かいた後、監督室に戻ってからは音楽をかけてから仕事に臨む。
「静かな室内よりも、なにかしら曲がかかってる方が好きです。何年代の洋楽とかあるじゃないですか。いろいろな曲を聴きながら試合のことを考えていきます」
家では気が向いた時に、ギターをつま弾く吉井監督だけに、「音楽は生活の友」と話す。
湧き上がるアイデア
そして、試合に向けてコーチとのミーティングは午後2時ころ。その後、練習で選手たちの状態をチェックし、戦術の確認をしていると、プレーボールの時間を迎える。
通常は週に6試合、3時間ほど、頭を巡らせながら戦うこと143試合。昨季は70勝68敗5分け、パ・リーグの2位の成績を残した。
試合が終わって家に帰るのは、日付が変わる前後。ベッドに入っても、すとんと眠りにつける日ばかりではない。
「眠れないときは眠れないです。ただ、采配については『あそこで、ああしておけばよかった』と後悔するようなことはないですね。それよりも、『この選手、どうやったら上手くなるかな?』と考え始めることが多いです。いろいろなアイデアが湧いてきたり、資料を引っ張り出したりし始めると、なかなか眠れなくなります」