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藤井聡太21歳「対局以上に緊張しています」NHK解説者デビュー、大胆にツバキの花を…観る将マンガ家が描く“藤井八冠と将棋界の愛おしい1カ月”
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida(illustration)/日本将棋連盟
posted2024/02/02 06:00
1月の将棋ハイライト。関連記事などからイラストをご覧になれます!
森田さんと言えば、ニュース番組で将棋の話題になるたびに凄くウキウキで話すなど「指す将+観る将」の大先輩的存在。あと〈藤井八冠と羽生善治会長の署名入り免状が欲しくて、将棋アプリを指して「アマ四段」に昇段した〉というエピソードも、ホッコリさとガチさが絶妙にミックスされていて愛おしいです(笑)。
3)藤井八冠「初のNHK杯解説者」がわかりやすい!
1月の藤井八冠のトピックスとして、王将戦以外にも取り上げたいのはテレビ棋戦「NHK杯」です。王将戦第2局が行われていた21日、“同時並行”で放映された3回戦で藤井八冠は“さばきのアーティスト”こと久保利明九段に勝利。同日に王将戦で相まみえた菅井八段戦とともに「振り飛車の名手に同日勝利(※NHK杯は収録ですけどね)」していました。
連覇に向けて視界良好……な中で、28日もNHK杯に登場。ただ今回は対局者ではなく、同棋戦で初となる大盤解説者の役目でした。
「対局の時以上に緊張しています。分かりやすい解説ができるようにと務めていきたいと思います」
とご本人は冒頭でおっしゃっていましたが、佐々木勇気八段が対局前インタビューで「対局者はもちろん頑張るんですけど、今日は大盤九割でお願いしたいと思います」と“藤井八冠推し”なコメントを残す姿、そこに藤井八冠が「もちろん対局がメインですので、それを盛り上げられるように頑張りたいと思います」と返す姿にもホッコリ。
もちろん、本分の大盤解説でも「この銀を救うには〈5五歩〉が自然ですね」など、初心者の僕らでも「へえ、そういうことなんだ」とわかりやすく、とても楽しい90分間でした。今週末まで無料で見られるようなので(でもって4日のNHK杯は藤井八冠-伊藤匠七段戦!)、藤井八冠の話術の成長ぶりをぜひ多くの人に見てもらいたいな……と思った次第です。
ABEMA地域対抗戦…羽生会長が強すぎる
映像・配信で見逃せないのはABEMAで始まった「ABEMA地域対抗戦」。全国を8ブロックで分けた団体戦は各地域のトップ棋士を筆頭にした戦いが行われています。僕と同じ岩手出身の小山怜央四段がチーム北海道・東北の初戦で2勝したのは自分のことのようにうれしいかぎり。さらに関東Aの監督である羽生九段は怒涛の4連勝……NHK杯でも永瀬九段に勝って準々決勝進出しているし、会長になってからさらにお強くなってませんか? と恐れ入るばかりです(笑)。
幅広い年齢、様々な個性を持つ棋士が活躍を見せる将棋界……その出来事をモチベーション高くイラストに描いていければと思います!<構成/茂野聡士>