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「(日本は)備えが非常にずさん」「(韓国には)思わずめまいがした」韓国人記者が辛口批評せざるを得ない日韓両国のアジア杯GL総括《決勝Tへの課題は?》 

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姜亨起

姜亨起Kang Hyeong Gi

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posted2024/01/30 11:00

「(日本は)備えが非常にずさん」「(韓国には)思わずめまいがした」韓国人記者が辛口批評せざるを得ない日韓両国のアジア杯GL総括《決勝Tへの課題は?》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

韓国紙記者に「苦戦している」と指摘された久保。決勝トーナメントへ向け調子を上げられるか

「日本は優勝を狙うチームですし、コンディションのピークをトーナメントに合わせていることを考慮したとしても、惜しく感じる部分は多かった。ワールドカップでは、自分たちより強い相手に対して良いパフォーマンスを発揮していましたが、自分たちが圧倒できるような相手との試合では、そこまで激しさを感じなかったというか……。日本はもっと効率的なサッカーを見せる必要があると思います。サッカーは点を決めるスポーツですし、それがたとえ華やかであれ雑であれ、決まればすべてゴールですから」

 特に、「少し苦戦しているように見える」として同記者が挙げたプレーヤーが久保建英。「技術が優れ、ボールを持てば相手の守備を崩せる能力を持っています。グループステージでも、能力の高さを証明した姿をこの目で見ました」と存在感に注目しつつ、「ただ……」と言葉を続ける。

「久保は自身の長所を発揮する“時間”を自分で調節できていません。2011年アジアカップで日本とも対戦した元韓国代表のイ・ヨンピョは以前、“良いサッカーとは、チームのエースがボールを持ち過ぎない時に表れる”と語ったことがあります。久保はまだボールを持つ時間が少し長い。そうなると、相手もパスよりドリブルを意識して守るので、奪われる回数も増えてしまう。彼のドリブル突破は必要な局面で見せてこそ、より鋭さが増すと思います」

 逆に、活躍が印象的だった選手には遠藤航と堂安律の名前が出た。

 ミックスゾーンでの取材時に「精神的にブレない姿」が目についたという遠藤は、「冷静に試合をコントロールして、チームが厳しい状況では自ら得点を決めるなど、キャプテンたる所以を見せていました」と称賛。堂安についても、「今の日本で最も脅威となる選手でしょう。失敗を恐れない直線的な動き、スピードのあるクロス、強烈なシュートでチームを牽引しています。日本が試合の主導権を握りながらも相手を圧倒できない時、チームの攻撃をより鋭くできるのが堂安です」と太鼓判を押していた。

日韓対決の可能性

 ベスト16で幻となった日韓対決の可能性は、2月10日の決勝まで持ち越しとなった。仮に実現すればアジアカップ3大会ぶりの対戦、かつ大会史上初の“日韓戦決勝”となるが、リュ・チョン記者の見通しは厳しい。

「もちろん、トーナメントではこれまでと違った戦いぶりを見せてくれるかもしれません。ただ、韓国も日本もグループステージと同じようなパフォーマンスが続くようであれば、決勝で会える可能性はかなり低いでしょう」

 日韓ともに2022年ワールドカップで躍進を見せた“奇跡の地”カタールは、中東勢の後塵を拝す“屈辱の地”となってしまうのか。チームの真価が問われる決勝トーナメントとなる。

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