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「クボと交換したユニフォームを今も大切にしている」“バルサの心臓”デヨングが語った…久保建英23歳を絶賛「日本代表にも驚いたよ」
posted2024/10/21 17:02
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Daisuke Nakashima
フレンキー・デヨングにとってバルサでのベストポジションはどこなのか。
ここ数シーズン考え続けてきた。頭の片隅にはいまも、アヤックス時代の自由奔放な姿が残っている。オランダのピッチでみせていた、ほとんどポジションの概念のないフリーマンとしてのプレー。あの頃のデヨングは自由で、より攻撃的だった。今よりももっと点をとっていたイメージも強い。
そんなことを考えていたとき、バルセロナでデヨングに会う機会があった。彼にそう伝えると、やわらかく否定された。
「たぶん印象ではそうなのかもしれない。アヤックスの頃は今とはポジションも違って、ポジションもインサイドハーフだったから。でもアヤックス時代も、実際のところは僕はそれほどゴールを決めてはいなかったんだ。だからゴールが減った、攻撃に絡む回数が少なくなった、というのはちょっと違うかな」
データを見てみると、確かに彼はアヤックスのトップチームにいた3年間でたった6点しか決めていない。いつだって記憶とは都合のいいように脚色される。
現在の彼にとって最適なポジションとはどこなのか。繰り返したのは「ベース」というフレーズだった。
「ブスケツが抜けて、バルサは大きく変わった。いまの僕に求められるのはチームの「ベース」にいること。ブスケツが抜けてからというもの基本的にそこでプレーしているし、変わることはないと思う。個人的にもやりやすいしね」
中盤の底にふたりが並ぶ、ドブレ・ピボーテがカバーするエリアをデヨングは「ベース」と表現する。バルサの基盤であり、土台だ。チームの基軸だったブスケツが抜け、デヨングがそこを担当していたが彼も負傷で離脱していた時間が長かった。その間にマルク・ベルナルという17才のとんでもない才能も現れた。おそらくは最もブスケツに近い彼も、ベースを担当する貴重な存在だったが、こちらも負傷で長期離脱している。
「ブスケツの穴を埋めるなんてできない」
バルサにおいて求められるベースとしてのプレーとは何なのか。