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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「初恋の女性と二度と会えない」号泣スアレス16歳が「噛みつき、W杯でゴール阻止ハンド」狂気のFWになるまで〈親友メッシと再タッグ〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byMike Ehrmann/Getty Images
posted2024/01/07 17:01
21世紀を代表するストライカーの1人と言っていいルイス・スアレス。ただし若き日の行動は世界中で物議を起こした
「もう二度と会えない」
そう思ったからだ。しかし「早くトップチームに上がって活躍し、欧州のクラブに入って彼女の近くに住みたい」と考えを改め、練習に励んだ。
2005年、ようやくトップチームで試合に出始め、2006年7月、オランダの小クラブであるフローニンゲンへの移籍を勝ち取った。そして、ソフィアをフローニンゲンの町へ呼び寄せ、一緒に住み始めた。
当初はオランダでの生活への適応とプレースタイルの違いに苦しんだが、チーム戦術を理解し、オランダ語を学んでクラブに溶け込む努力を重ねてポジションを獲得。2007年2月、20歳になった直後にウルグアイ代表へ初招集された。
アヤックス→リバプール→バルサとステップアップ
そして、この年8月、オランダの名門アヤックスへ。ここでも監督の要求に応え、チームにも馴染んで得点を量産。2009-10シーズンにはリーグで33試合に出場して35得点をあげて得点王。闘志溢れるプレースタイルがサポーターに愛され、監督の信頼も勝ち取ってキャプテンを任された。
2011年2月、プレミアリーグの名門リバプールへ迎え入れられた。フェアプレーを重んじるイングランドでは、PK欲しさに倒れ込むと「ダイバー」と嘲笑された。しかし、フットボール文化の違いを理解し、激しいフィジカル・コンタクトとスピードにも慣れ、そのうえで自分の持ち味を最大限に生かす術を習得。2013−14シーズンにはプレミアリーグで33試合に出場して31得点17アシストをあげて得点王となり、MVPに選ばれた。
こうして欧州屈指のストライカーに成長し、2014年7月に、名門中の名門バルセロナへ。メッシ、ネイマールと組んで爆発的な攻撃力を発揮し、2015-16シーズンには3人合計で131得点73アシスト。3人の頭文字をとって「MSN」と評されるとともに「世界フットボール史上最高のアタッカートリオ」と謳われた。
在籍した6シーズンの間にスペインリーグで4度優勝。2014−15シーズンには欧州チャンピオンズリーグを制覇。2015-16シーズンには35試合に出場して40得点をあげ、得点王に輝いている。そして2020年7月にアトレティコ・マドリーへ移籍し、2シーズン在籍。2022年8月に母国のナシオナルへ復帰し、リーグ優勝に貢献した。
ブラジルに帰ったのち、再びメッシと共闘
昨年1月、ブラジルの名門グレミオと2年契約を締結。デビュー戦となった州スーパーカップでハットトリックを記録してサポーターの心を鷲掴みにした。グレミオでもチームの攻撃の中心として活躍したが、昨年7月にメッシがパリ・サンジェルマン(フランス)からインテル・マイアミへ移籍すると、「メッシから『また一緒にプレーしよう』という誘いを受けた」と報じられた。