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高校サッカー消えた天才…金髪ピアス司令塔「えらい色になった」、意外な職に就いた“セクシーな9番”が「人生を変えた」と語る青春ウラ話
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJIJI PRESS
posted2024/01/06 17:02
「セクシーフットボール」で高校サッカー日本一となった野洲高校。選手権を語るうえで欠かせない“消えた天才”たちを振り返る
当時の野洲と言えば、ちょっとヤンチャそうな風貌とともに、明らかに異質なスタイルということで眉をひそめる声もあったが……彼らの土台には、現在のサッカー界で相手を攻め落とすために常識となっているものがあったと青木は振り返る。
「僕らはおちょくっている気持ちは一切なく、純粋に自分たちのサッカーをやっていただけ。なんなら相手をちゃんと見て“逆”を取っていただけなんです」
この仕事に生き甲斐を感じているんです
青木は2006年シーズンから、ジェフユナイテッド市原・千葉に加入。世代別代表では同年のAFCユース選手権での大一番で立て続けに重要なゴールを挙げて、翌年のU-20W杯出場につながる原動力となるなど将来を嘱望された。
しかしそんな青木でも、J1での通算成績は35試合4得点。J2ではファジアーノ岡山、ジェフ、ヴァンフォーレ甲府、ザスパクサツ群馬と渡り歩いてJ2通算170試合22得点の成績を残したものの、シーズン2ケタ得点を挙げたシーズンがなかったことが、プロという世界の壁の高さを象徴する。
青木は28歳で引退し、職を移り変わったのちに親族が経営する会社に入り、現在は電気工事士として働いている。
「今は本当に楽しいし、この仕事に生き甲斐を感じているんです」と語る“消えた天才”は、サッカーでゴールを追い求めた青春時代と同じく、今という日々を充実して過ごしている。