- #1
- #2
セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
「カマダのアジア杯落選、モリヤスは説明したか?」イタリア番記者も驚き…“味方がパスすら出さない”鎌田大地に酷評より同情論が強いワケ
posted2024/01/04 17:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Kiichi Matsumoto
新年早々、永遠の都ローマに衝撃が走った。
元旦はイタリアの休刊日だったが、地元紙はラツィオMF鎌田大地の日本代表落選の一報をWebページで次々に速報した。
「正月はサプライズとともに。アジアカップ出場は消えたが、鎌田は移籍候補リストに」(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
「難航するイタリア順応が代表選考に悪影響を及ぼしたか」(コリエレ・デッロ・スポルト紙)
筆者の通話アプリには、各紙のラツィオ番記者たちから「新年おめでとう」の挨拶もそこそこに「落選の理由をモリヤス代表監督は説明したのか」「鎌田が1月中に移籍する可能性は」と矢継ぎ早にチャットが飛んできた。
強行日程だけに鎌田の存在は大きいはずだが
昨年末、12月29日のセリエA第18節フロジノーネ戦を取材した際、鎌田のパフォーマンスは確かに終始低調だったが、彼の代表落ちを予想していた現地メディアは皆無だった。驚きと困惑はあっても彼らはすぐに現実を直視する。
鎌田のアジアカップ出場がなくなったことは、少なくともサッリ監督にとっては朗報といえる。チームの中盤が深刻な戦力不足に陥る危険性があったからだ。
この1月、ラツィオには変則的な強行日程が待ち受けている。
6日に再開されるリーグ戦でのウディネ遠征と10日のコッパ・イタリア準々決勝には、先月22日のエンポリ戦で左太ももを痛めて欠場中の大黒柱ルイス・アルベルト抜きで挑むことが確定済みだ。
19日からは中東サウジアラビアで開催されるミニトーナメント形式のイタリア・スーパー杯が控えており、リザーブ役の鎌田までアジアカップで不在とあらば、指揮官とSDファビアー二は戦力編成に苦悩せざるを得なかっただろう。信頼する選手を固定して使いたがるサッリ親分にとって、いざという時に先発として計算できる選手が1人減るか減らないかは重要な問題なのだ。
2024年の初戦である6日のウディネーゼ戦と、ローマ・ダービーとなる10日のコッパ・イタリア準々決勝の2試合で、鎌田のスタメン起用の目処が立った。
「落選によって今後の鎌田の選択肢は2つある」
ただし、鎌田の日本代表行きがなくなり、1月もクラブに残ると知ったラツィアーレ(ラツィオ・サポーターの通称)たちが諸手を挙げて喜んでいるかというと、そう単純な話でもない。