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高校サッカー消えた天才…金髪ピアス司令塔「えらい色になった」、意外な職に就いた“セクシーな9番”が「人生を変えた」と語る青春ウラ話
posted2024/01/06 17:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
JIJI PRESS
<名言1>
はしゃいでもカッコ悪いし、クールにせなあかんって思って、難しそうな顔してね。いま思えば夢みたいな時間やった。
(石塚啓次/NumberWeb 2021年2月20日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847068
◇解説◇
年末年始に地上波テレビ中継されることもあり、全国高校サッカー選手権、通称「選手権」の注目度は非常に高い。「お祭り」と表現する関係者もいるが……そこに前評判や風貌も合わさると、さらに目立つことになる。
その元祖のような存在が、石塚だった。
京都出身の石塚は同地区の名門・京都紫光クラブで中学時代から将来を嘱望され、日本代表最多得点記録を持つ釜本邦茂の母校でもある山城高校へと進学した。180センチ台の長身ながら――現在でたとえるなら鎌田大地のような――確かなテクニックと視野でピッチを掌握する司令塔として君臨した。92年の高校3年生時、インターハイで存在感を見せたことで、注目選手として取り上げられた。
安い脱色剤を使って髪の色を軽く抜こうと思ったら…
ただ迎えた第71回選手権ではケガもあってベンチを温め続け、ピッチに立ったのは国見との決勝戦だけだった。しかし……その風貌は、なんと脱色した髪にピアス。明らかに異彩を放つ石塚に視聴者は騒然となった。
石塚いわく、当時の同校は金髪やピアスは普通で、パーマを当てている生徒も多かったという。それもあって石塚の特徴的なヘアスタイルとなったわけだが……2021年の「NumberWeb」でのインタビューでは、こんな裏話も明かしている。
「そもそも金髪っていうか、安い脱色剤を使って髪の色を軽く抜こうと思ったらそのまま寝てもうてえらい色になってしまっただけで、黒に染め直す金もなかっただけやしね(笑)」
同大会で山城は準優勝に終わったものの、そのスキルが認められた石塚は、Jリーグ草創期にタレント集団として名を馳せたヴェルディ川崎に入団。約10年間プロとしてプレーしたのち、バルセロナへと渡って飲食店を経営している。その波乱万丈は、まさに天才肌の生き方ともいえる。
「サッカーでメシを食う生活」をするための就職活動
<名言2>
卒業後の進路が決まっていないので、就職活動のつもりでがんばります。
(片桐淳至/Number995号 2020年1月17日発売)
https://number.bunshun.jp/articles/-/846372
◇解説◇
高校サッカーで華々しく報じられプロ入りしたものの、その後の人生で“消えた天才”となった人物がいれば、それまでは世間的に無名ながら、選手権でのし上がった天才もいる。その1人が片桐である。