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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
英国紙も絶賛「エンドウは不可欠」遠藤航30歳“異例の移籍”から4カ月…低評価からの大逆転、本人が語った「リバプールは僕次第ぐらいの気持ち」
posted2023/12/27 19:37
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
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「今回の試合は、私がこの20年で目撃してきたフットボールの試合で最高部類だった。サッカーの激しさ、目まぐるしさにおいて、トップクラスの試合だった」
プレミアで首位を走るアーセナルのミケル・アルテタ監督は、12月23日にリバプールの本拠地アンフィールドで行われたリバプール戦後、こう振り返った。2位で追いかけるリバプールのユルゲン・クロップ監督も「最高の2チームによる、最高の試合だった」と同調。世界最高峰の首位決戦に相応しい、好ゲームとなった。
そしてリバプールのMF遠藤航はこの一戦で先発フル出場を果たし、抜群の存在感を示した。
日本代表MFは4-3-3のアンカーで先発。守備的MFとして、素早い寄せ、ボール奪取、スペースへのカバーリングを絶え間なく行い、守備の防波堤として機能した。マイボールにすれば、左右にボールを散らしたり、前線に長いパスを通したりと、攻撃の起点としても奮闘し続けた。
アーセナル戦直後の遠藤に聞いた
遠藤の持ち味が凝縮されていたのが、後半5分の場面だ。中盤前方までポジションを押し上げ、アーセナルのMFマルティン・ウーデゴールに体を入れてタックル。ノルウェー代表MFをふっ飛ばし、素早く攻撃につなげた。
前半11分には、遠藤がアーセナルのFWガブリエウ・マルティネッリに後方から突っつかれながらも持ちこたえ、前線にきれいなロングパスを通した。日本のサムライは攻守両方で奮闘した。
1−1のドローで終わった激戦を、遠藤は次のように振り返った。
「90分を通して、内容はお互い良かった。インテンシティの高い試合でした。2−1で勝てれば理想だったですけど、内容自体は悪くなかった。お互いにチャンスがあったので、1-1のスコアは妥当な結果かなと。
(個人としては)入りも良かった。ボールの受け方だったり、パスを前につけるシーンだったり、ちょっとプレッシャーを剥がして、みたいな場面もあった。特に後半は、守備のところでしっかり奪い切るところを意識していた。悪くなかったとは思います」
特に前半は、目まぐるしく攻守が入れ替わった。アーセナルがチャンスを作ったと思えば、1分後にリバプールが決定機を迎える。試合展開の速いプレミアリーグでも、今回の一戦は目が回るほどのスピードで展開した。ピッチ中央部でプレーした遠藤も体力的にキツかったというが、意識していたプレーをピッチ上で体現できていた。